株式会社AWARDの渡邉です。
本日は確定拠出年金のまとめを書く予定だったのですが、あまりにも劇的な出来事があったのでこれを書かない訳にはいかないと急遽テーマを変更いたしました。そうです、日銀の金融性策決定会合における初の マイナス金利 の導入です。
日本銀行は29日の金融政策決定会合で0.1%のマイナス金利導入による追加緩和を賛成多数で決定しました。金融政策決定会合は委員の多数決によって最終決定がとられるのですが、5対4での決定に至っています。反対する委員も4名いたということから今回の追加緩和の劇的さが垣間見えます。昨今の原油価格の下落や年初からの市場の混乱等で、前々から強く発信している物価目標2%達成時期が遅れていく懸念が増したとことでさらなる緩和が必要と判断したとのことです。
マイナス金利といっても私たちが銀行にお金を預ける時の金利がマイナスになる訳ではありません。金融機関は日銀の当座預金という決済用の口座にお金を預け入れる必要があるのですが、そこの一部に0.1%のマイナス金利を適用するというのが今回のマイナス金利の内容になります。それではマイナス金利の導入によりどのような効果が見込まれるのでしょうか??
・市中金利のさらなる低下(預金金利、住宅ローン等の金利が下がる)
・円安の進行
・物価の上昇
・輸出関連業、不動産業のさらなる活性化
・銀行が利益を出すのが難しくなる
等々さまざまな効果があらわれるのが予想されます。実際に本日(1/29)の発表により118円台だったドル円の為替レートは118円台から121円台まで大きく変化しました。また輸出関連株、不動産関連株は大きく値上がりし、銀行株の値下がりが目立っています。ただし銀行にとって全ての当座預金金利がマイナスになる訳ではないので少々下げすぎたようにも感じます。
日銀はマネタリーベースを年あたり約80兆円ずつ増えるよう金融市場を調節する方針を継続しています。また長期国債、ETF、不動産投資信託の買い入れに関しても方針も維持しています。ここに加えて、マイナス金利を導入し今後さらに金利を引き下げる可能性もあることを示したことで将来的な追加緩和の余地も残す政策の変更となりました。
マイナス金利という金融政策自体はスイス、スウェーデン、デンマーク等ですでに実施されていますが、日本では初めてということで市場に与えたインパクトは大きかったです。市場の反応も概ね良好で日経平均株価も最終的には500円ほど上昇しました。
先日ECBの発表により世界経済が安定した例も紹介しましたが、今回の日銀の金融政策発表も世界に大きな影響を与えるものとなりそうです。今後の市場も要注目となります。次回はもとに戻って確定拠出年金のまとめを行います。