株式会社AWARDです。
昔お金のかわりに使われていたもの言えば何が思い浮かべますか?例えば、貝がらであったり、石であったり、日本ではお米であったり色々なものが挙げられるでしょう。そんな中でも人類の歴史の中でもっとも長くお金として使われてきた物質の一つに『金(ゴールド)』があります。
昔のお金には金の裏付けが
ツタンカーメンの黄金のマスク、金印、そして金の小判、砂金など、金は昔から価値がある物質として扱われてきました。物質としての安定性や、その光輝く魅力が人々を惹きつけてきたのでしょう。現在も1gで約5000円の価値があるものとして市場で取引をされています。
さて、金は物質のまま貨幣として使われていた時代もありましたが、紙幣の裏付けとして使われていた時代もありました。英国や米国を始めとした国々で行われた『金本位制』。金本位制のもとでは政府が紙幣と金の交換を保証していたため、政府が持つ金の量と紙幣の発行には相関性がありました。この金本位制は1971年のニクソン・ショックをきっかけとして法定通貨の世界ではなくなっていきました。
金を裏付けにした暗号通貨?
さて、このように金は通貨の裏付けとして使われてきたのですが、同様の考え方で暗号通貨を発行するといった動きもでてきました。暗号通貨はその利便性から価値をつけてきましたが、本質的な価値はまだまだ未知数です。しかし、もし一定量の暗号通貨を金と交換できるということになれば、その暗号通貨は金の価値以下には下がらなくなりそうですよね。
こうした考え方に基づく暗号通貨のプロジェクトは世界でもいくつか動いているのですが、日本でも同様の考え方で暗号通貨を発行しようとしている会社があります。それが大手旅行会社のHISです。HISでは純金1トン(約50億円)を裏付けとした独自の暗号通貨『テンボスコイン』を発行し、まず自社が保有するハウステンボス内で上手く利用できるかの実験をする予定とのこと。実験がうまくいけば世界中で利用できる暗号通貨を目指していくようです。
金融事業への進出
HISの試みは非常に面白いものですよね。裏付けがある暗号通貨であれば安心して保有できるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。ただし、暗号通貨の世界では技術的な面が重視される傾向もあるので、金の裏付けがあれば成功するとは限らないように思います。
またHISは『テンボスコイン』をきっかけとして金融事業への進出をしていきたいようです。金融事業を事業の一つとして持つ会社としては、セブン&ホールディングス・イオン・ソニー等様々な企業が挙げられますが、HISも金融への参入を目指すということでしょう。金を裏付けとしたテンボスコイン。日本ではあまり聞かない試みですが、実験結果と今後の展開が気になります。
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