1ドル110円割れ

資産運用

株式会社AWARDです。ドル円の為替が久々に110円を割り込んできました。約5ヶ月ぶりの円高水準となります。昨年11月に始まったトランプ・ラリーも、いったん終息というように考えても良いかもしれません。

昨年11月8日の大統領選にて米国大統領になることが決まったドナルド・トランプ氏。トランプ氏の掲げる経済政策、減税、金融規制の緩和などは、米国の株価を押し上げ円安ドル高を進行させました。

大統領選の結果が出たときには一時1ドル=101円台を記録したものの、その翌月には1ドル=118円台まで円安が進行。短期での為替水準の変動としては、とても大きかったのは記憶に新しいところかと思います。

しかし、そのような状況も長くは続きませんでした。今は円高と株安を進行させる要因が多く揃って来ています。

〇トランプ政権の政策実行能力への疑問
⇒オバマケアに代わる医療制度の法案を通す予定だったのが、共和党内での調整がつかずに断念されました。それに伴い他の減税策なども迅速に法案が通るか疑問視されることになりました。

〇米軍によるシリアへの攻撃
⇒米軍が議会を通さずにシリアへの攻撃を行いました。積極的な軍事介入は世界の均衡を崩し、緊張が高まり円高が進むことになりました。

〇北朝鮮との間の緊張の高まり
⇒北朝鮮が行った3月6日のミサイル実験により、ミサイルの精度がかなり高まっているのが確認され、米国の北朝鮮に対する圧力が大きくなりました。シリアへの軍事介入は北朝鮮にも同じことが行われる可能性があるという牽制と見ることもできます。

これらの不安材料によって今までのトランプ政権に対する期待が剥がれ、為替・株価の流れが変わってきたと言えるでしょう。今回の懸念の中にある北朝鮮の問題は、日本にとっても非常に大きな脅威であり、最悪のケースでは日本に対して北朝鮮からの直接的な攻撃が行われる可能性さえあります。

株価や為替は投資家の心理を反映するものです。多くの投資家が現在の状況を不安に思い、なにか起こるかもしれないと警戒をしているということになるでしょう。今後の市場の動向に要注目です。


執筆者:渡邉亮

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