金融商品販売の実態【事例】
2016.9.23

株式会社AWARDの渡邉です。本日は最近相談にのった、銀行の商品販売事例について紹介したいと思います。

相談者は58歳の女性。以前銀行の関連証券会社で300万円の投資信託を2つ購入していました。数年前に購入した2つの投資信託ですが、一方は一時期390万円まで増えていたのが、現在は302万円まで価値が下がってきてしまっているとのことでした。もう一方は現在360万円ほどまで価値が上がっているとのこと。この2つともこれから価値が下がりそうなので、どちらも解約してドル建ての一時払い終身保険を新たに契約しませんか?というのが提案内容でした。

まとめると、

・投資信託商品1 300万円⇒302万円
・投資信託商品2 300万円⇒360万円
・投資信託1,2を解約した資金⇒ドル建て一時払い終身保険へ

ということになります。そのときのドル建て一時払い終身保険の紹介ですが、

・投資信託商品だと取られてしまう最初の手数料がない
・減らないで確実に増やせる

というものでした。この話を聞いた時点でいくつか怒りがわくわけです。

まず投資信託商品1は外貨建ての高金利な外国債券を多くつめ合わせたものでした。中身を見ると、米国ドル建ての商品が40~50%含まれているわけです。現在価値が減っているのは日本円の為替レートが125円ほどまでいっていたのが、100円前後まで円高に戻ってきてしまっているため。しかしこの商品の価値がこれから減りそうだといって、ドル建ての一時払い終身保険を勧めるというのはナンセンスです。外債の投資信託ということは、そもそも外貨建て保険の中身とも言えるものです。その価値がこれから減るというのであれば、今後ドル建て一時払い終身保険の価値はほぼ間違いなく減るからです。

投資信託商品2はREITと呼ばれる不動産投資信託でした。こちらは日本の不動産価格に連動して価格が上下する投資信託です。現在の日本の不動産価格はひとつのピークを迎えているとも言われているため、こちらの解約は理に適っているかもしれません。しかし、他の投資信託に切り替えると手数料がかかるからといってドル建ての一時払い終身保険を勧めるのは全く持って間違っています。契約した直後に解約すると元本が減る、これは販売時手数料が契約の中に含まれているからなのです。保険は投資信託と違って手数料が非常にわかりにくい商品。金融庁でも銀行販売の保険の手数料が高すぎるケースがあると問題にしています。そこを誤魔化し、いかにも手数料がかからない商品かのようにミスリードする姿勢はどうかと思います。

そして最後にドル建ての一時払い終身保険が減らないで確実に増やせる、というセールストークです。これは外貨建て保険を販売する人にはあってはならないセリフです。外貨建て保険は販売時に元本欠損等のリスクがあることをキチンと説明することが義務付けられており、そのための研修も各会社で用意されています。にも関わらず確実に増やせるという台詞がでるというのは一体どういうことなのでしょうか。これが現在の金融商品販売の実態なのかと怒りがわくとともに悲しくなりました。

いかがでしたでしょうか。金融商品販売の実態が垣間見える事例ではないでしょうか。次回はわたしだったらどのような提案をするかについて紹介していきたいと思います。

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