日銀の戦略とは【経済】
2016.9.12

株式会社AWARDの渡邉です。今月は21日に日銀の金融政策決定会合が行われます。しきりに追加緩和への含みを持たせながら金融政策を運営している黒田日銀総裁。追加緩和をしてもしなくても大きな影響を与えるだけに、その動向には市場関係者が神経質になっています。

EUの金融政策をつかさどるECBのドラギ総裁は、先週の記者会見、2017年3月に期限の来る現在の量的緩和の延長を打ち出さず、決定を年末の理事会まで先送りすることを表明しました。日銀に先立ちマイナス金利政策等の劇的な金融政策を打ち出してきたECB。そこでも金融緩和の限界論は囁かれています。

現在日本と欧州の金融政策はとても良く似ています。中央銀行が債券の買い付けを行い、中央銀行に預ける銀行の資金に対してマイナス金利を適用してお金が市中に流れるように促すという共通点があります。

日本銀行…国債保有残高を毎年80兆円ずつ拡大
(ETF、REIT、CP、社債も購入)
マイナス金利-0.10%
(7月時点で日銀当座預金290兆円のうち、20.8兆円に適用)

ECB…2017年3月末まで毎月800億ユーロの債券を購入
(国債など公共債+社債・ABSなど民間債)
マイナス金利-0.40%
(1月時点で中銀当座預金7530億ユーロのうち、6400億ユーロに適用)

こうやって見ると、日本と欧州は足並みを揃えながら金融政策を進めているようにも見えます。限界論が囁かれているECBの政策ではありますが、足元の欧州の経済は決して悪くはありません。6月には英国がEUを離脱することを決定するという歴史的に見ても非常に大きな経済の下振れ要因があったにも関わらず、そこから欧州経済全体が下向くといった流れにはなっていません。これもECBの金融政策の恩恵である低金利ユーロ安に加え、原油などの資源価格が安いことが経済を下支えしているからとも言えます。

ただ日銀もECBも、その政策が経済の前提条件になってしまっているがゆえに、中途半端にやめることができないところへ追い込まれているとも言えます。さらなる緩和への期待も持たせつつ、物価上昇を支えていくという難しい舵取りが今後も続くのでしょう。21日の日銀金融政策決定会合はそのあたりも意識して発表を待ってみてはいかがでしょうか。

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