メガバンクでドル金利5%超

資産運用

株式会社AWARDの渡邉です。

メガバンクでドル金利5%超

が得られるとしたら、皆さんどう思われますか?

なんと、三井住友銀行がドル建ての定期預金において6ヵ月物と1年物の金利を5.3%まで引き上げるとの発表がありました。

日本円の低い金利に慣れている多くの方にとって、この金利は劇的に高いものと感じられるのではないでしょうか。

1.三井住友銀行の決断


これまでにも、ネットバンクなどの新興金融機関は高いドル建ての預金金利を提示していました。例えば、ソニー銀行、auじぶん銀行、SBI新生銀行などです。

しかし、メガバンクは外貨預金の金利といえども0.01%といった低い金利を継続していたので、ここで三井住友銀行が動いたのは大きな出来事です。

前回のコラムでは三菱UFJが日本企業の時価総額2位に躍り出てきたことを取り上げました。今回三井住友銀行が動いたことで、他のメガバンクも外貨預金のテコ入れに動く可能性が高まったと言えるでしょう。

2.背景にあるのは米国の金利上昇背景


米国ではインフレ圧力の増大を受け、ここ1年半程連邦準備制度(FRB)が金利を段階的に引き上げてきました。

この結果米国債の金利は上昇。Bloombergによると9月19日時点での米国債12ヶ月物の金利は、5.42%となっています。1年間であれば米国債を購入するだけで+5.42%のリターンが得られることが確定するということになります。

三井住友銀行もこの状況を見て、ドルの定期預金金利を上げても逆ザヤにはならない、という点と、多くの顧客のニーズに応えることで資金が集まることを見込んでドルの定期預金金利を上げる決断をしたと考えられます。

5.3%の金利を払うとしても、米国債を銀行として保有しておけば5.42%の金利が得られるとすると、銀行は損はしないですよね。また、米国債を保有するのでなく社債であればさらに高い金利を得ることも可能です。

3.外貨預金のリスクと注意点


さて、高い金利が得られる外貨預金は魅力的ですが、下記のような点には注意が必要です。

為替リスク: 外貨預金の最も顕著なリスクは為替リスクです。円とドルの為替レートの変動により、円建てでは元本が減少するリスクが常に伴います。

ペイオフ制度の非対象: 日本の預金保険制度、通称「ペイオフ」は、外貨預金には適用されません。これは、銀行が破綻した場合、外貨預金の元本保証がされないというリスクを意味します。

金利変動リスク: 米国の金利が今後さらに上昇する可能性がある一方で、逆に金利が下がる場合、期待される収益性が低下するリスクも考慮する必要があります。

外貨の定期預金を利用する際にはこれらのリスクも考慮しておきましょう。

4.まとめ


米国の金利の動きに合わせて、日本の金融機関もついに商品開発へ動き出しました。高い米ドルの金利をベースとした上で、顧客ニーズに応えるための継続的な金利調整や商品開発を今後行っていくのでしょう。

このような動きは日本の金融業界に新たな風をもたらすことへも繋がります。資産運用の選択肢が広がる中で、適切な情報収集と戦略構築が一層重要となる時代になってきているのではないでしょうか。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

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