株式会社AWARDの渡邉です。
元本保証と元本確保
という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
金融商品を選ぶ際に、投資家はリスクをどの程度取るかを考慮します。その中で、よく聞くことになる「元本保証」と「元本確保」。似たような言葉ですが、実際の意味は大きく異なります。今回はこの2つの言葉の意味を捉え、実際の事例についてもご紹介したいと思います。
1.元本保証とは
元本保証は、投資した金額(元本)が確実に返還されることを保証するものを指します。つまり、投資商品に何らかのリスクが発生しても、最低限、元の投資金額は確実に手元に戻ってくることを意味します。この保証は、銀行預金や国などの公的な機関が提供する商品で見られることが多いです。
例えば銀行の普通預金は、1000万円までは預金保険制度の対象になっていますし、何かが起こっても元本は保証されていると言えます。
2.元本確保とは
一方、元本確保は、特定の条件下で元本が確保されることを意味します。この「条件下」というのは、例えば特定の期間内に売却しない、あるいは何らかの達成しやすい条件を満たすことで、元本が守られる、という意味合いです。
言葉が使われる場面としては、満期まで保有すれば元本が確保される金融商品や、保険などが当てはまります。例えば20年後以降に解約すれば100%以上が戻ってきますよ、という保険商品は元本保証の商品ではなくて元本確保の商品ということですね。
3.具体的な例
具体的な例を挙げてみましょう。
元本保証…銀行預金(1000万円までの普通預金)、当座預金などの決済用預金(上限なし)
元本確保…一定の期間を過ぎると返戻率が100%を超える保険、特定の株価指数が一定の数字以上であれば元本が戻る仕組み債
元本保証型は「何があっても元本は返ってくる」という安心感を提供する一方で、リターン(収益)の期待は比較的低めとなる傾向があります。
対照的に、元本確保型は高いリターンが得られることがある一方で、特定の条件をクリアしなければ元本が返ってこないリスクがある、といった特徴があります。
ちなみに個人向け国債は一般的には元本保証の商品とされることが多いですが、1年間は解約できないため、その意味では元本確保の商品に分類した方が適切かもしれませんね。
4.まとめ
元本保証と元本確保、これらは似たような言葉ですが、意味や特性は大きく異なります。投資を行う際には、自らのリスク許容度や目的に合わせて、どちらの特性が自分に合っているのかをよく考慮することが重要です。
安全を重視するなら元本保証型、少しでも高いリターンを追求しつつ、ある程度のリスクを取り入れるなら元本確保型という選択が考えられるでしょう。
最終的には、それぞれの特性を理解した上で、最適な投資を選ぶことが大切です。