株式会社AWARDの渡邉です。
適切な運用額ってどのくらい?
というテーマで今回はお送りさせていただきます。資産運用を始めるにあたって、適切な運用額って決めにくいですよね。どのような考え方で運用額を決めれば良いかについてご紹介させていただきます。
1.日米の個人資産の持ち方
2000年末を基準にして、20年間の日米の個人金融資産の伸び率を比較すると、
日本:1.4倍
米国:3倍
となります。こちらの背景としては、資産運用から得られるリターンが大きく影響している、と指摘されています。
日米の個人金融資産の内訳を見てみると、日本で最も多いのが『預貯金』で全体の半分以上を占めています。『株式・債券等』は全体の約15%に過ぎません。
一方で米国では、『株式・債券等』が半分を占めています。『預貯金』は約12%にとどまります。資産運用における積極性の差が、過去20年間に渡る資産の伸び方に大きく影響しているのです。
2.どのくらいの割合を運用すれば良い?
さて、こうしたデータを参考にして、米国と同じように資産の半分くらいを運用しよう、と考えるのも良いですが、より合理的に運用額を考えていくには、運用する資産の特性を知っていることが重要かと思われます。
基本的には、株式や債券といった資産は、保有している際の運用リターンの期待値がプラスな資産です。持ち続ければ持ち続けるほど、お金が増える可能性が高い、ということですね。ただし、預貯金と異なり価格変動があるため、長い期間保有できるお金を運用に回すことが望ましいと言えます。
運用をしていると使いたいときに価格変動によって額面が減っていることもあるでしょうから、なるべく運用しているお金に手をつけなくて済むようにしたいところです。そのためには、手元ですぐに動かせる現預金も保有しておくべきです。
まず手元に確保する現預金としては、生活防衛資金として月々の生活費の3ヵ月分~6ヵ月分ほど用意しておくと良いでしょう。月々の収入が入ってくる状態で収支のバランスが取れているのであれば、その程度預貯金があると困ることは少ないかと思います。
あとは直近で大きなお金を使う予定があれば、その分もプラスして現預金で確保するのが良いでしょう。
3.合理的な運用額と心理的に許容できる運用額
さて、こうして手元の現預金の額を決めたら、残りはすべて資産運用に回してしまっても大丈夫です。生活は手元にある現預金で十分に送っていけると思いますので、残りの資産は期待値が高い資産に振り分けましょう、というのが合理的な考え方です。
しかし、そうは言ってもはじめて運用を始めるという中で、そんな大きな金額を運用するのは怖い、と思う方は多いでしょう。そこには心理的な障壁があります。
ただ合理的な金額を運用するというだけでなく、個々人のリスク許容度や経験値、心理的な要因なども加味して、合理的な運用額から実際に運用に回すお金は減らしていけば良いでしょう。
心理的な障壁を乗り越える上では積立投資も有効です。月々積み立てながら運用することで、少しずつ運用に慣れることができる、という効果が望めます。
4.まとめ
今回は適切な運用額はどのくらいか、というテーマで書かせていただきました。
合理的な運用額、心理的に許容できる運用額の2つがあると思いますので、まずは合理的な運用額を決定するところから始めていくと良いでしょう。
そこからご自身に合った形のリスクリターンが狙えるポートフォリオを組んでいくと、納得感のある資産運用ができるかと思います。ポートフォリオの組み方については、また改めてご紹介させていただきますね。