米経済指標堅調で利上げ懸念へ

資産運用

株式会社AWARDの渡邉です。

米経済指標堅調で利上げ懸念へ

というテーマで今回はご紹介させていただきます。

米国の経済が堅調なのは世界全体にとっても良いことなはずですが、良い経済指標が出たことによって株価が下がる、という現象が起きています。

1.良かった経済指標は?

2.なぜ経済指標が良くて株価が下がるのか

3.債券の魅力

といった流れで見ていきましょう。

1.良かった経済指標は?


昨晩発表された6月の全米雇用報告で、民間部門雇用者数は49万7000人増加し、エコノミスト予想(22万8000人増)を上回りました。

また、米供給管理協会(ISM)の6月の非製造業総合指数は53.9と、前月の50.3から上昇し、市場予想の51.0も上回っています。こちらの指標は非製造業(375社以上)の購買・供給管理の責任者を対象 にアンケートを取って算出されており、50を超えると景気拡大を表しているとされています。

つまり、どちらも米国の景気が強いことを示しています。

2.なぜ経済指標が良くて株価が下がるのか


では、なぜこのように米国の経済が強いことが示されているのに株価が下がるのでしょうか。それは、経済が強いことが指標で示されると、それを理由に利上げが行われることになる、という共通認識が市場にあるからです。

前回6月に行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)では、1年3ヵ月ぶりに利上げが行われないFOMCとなりました。利上げが行われなかったことで、市場では安心感が広がり株式市場は堅調に上昇をしました。

しかし、7月25-26日には次回のFOMCがあります。米国経済が堅調でインフレ率も再度上昇するような兆しが見られるとすると、利上げが再開され、さらには0.25%ではなく050%の利上げとなる可能性もあります。

これが堅調な経済指標が必ずしも歓迎されていない理由です。

3.債券の魅力


そんな中、米国の2年債利回りは一時5.12%といった数値をつけました。これは、2007年以来の高水準です。また10年債利回りは4.08%に上昇し、年初来の高水準に迫りました。

『債券金利が上がる=発行済みの債券価格が下がる』

という関係性があります。すでに債券を持っている方にとっては、利上げはあまり歓迎されるべきことではありません。

一方で現在のような高金利な環境下では、新たに債券を買うのには良いタイミングであると言えます。10年物の米国債の金利が4%を超えているということは、この債券を10年間保有するだけで、米国が破綻しない限りドル建てで40%の金利が貰える、ということでもあります。

金利がずっと高止まりする、というのは可能性として考えにくいので、金利が高いときに債券投資をするのは旨味があると言えるでしょう。

4.まとめ


米国の経済指標が堅調です。しかし、堅調なことにより利上げの懸念が高まり、次のFOMCでは0.50%の利上げが行われるのではないか、といった懸念の声も聞こえてきています。

一方で金利が上がれば債券など固定の金利がもらえるような商品の魅力は高まります。ずっと高い金利環境が続くわけではないので、こうしたタイミングで高いドル金利を受け取れるような投資を始めるのは良いのではないでしょうか。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

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