金利と投資利回り

資産運用

株式会社AWARDの渡邉です。

金利と投資利回り

というテーマを今回は取り上げたいと思います。不動産投資をする際には、多くの場合で銀行からローンを借りて投資を行います。このとき借りるローンの金利についてはどのように考えれば良いでしょうか。

1.借入金と金利

2.イールドギャップ

3.どう上手くレバレッジをかけるか

といった流れでご紹介させていただきます。

1.借入金と金利


銀行からローンを借りた場合、わたしたちは返済の際に金利を支払います。例えば1000万円を金利3%で10年間元利均等方式で借りた場合、毎月の支払は、

96,560円

となります。この返済額の中身を見てみると、最初に返済する96,560円は、

元金:71,561円

金利:24,999円

という内訳となり、実際に借りたお金の返済にまわっているのは71,561円となります。残りの部分は金利の支払いにあたるわけですね。

金利3%で1000万円のお金を借りる、ということは、1年間で30万円くらいの金利を払う、というのと同意です。この意識を持っていると、借入金とは上手に付き合えます。

2.イールドギャップ


さて、ローンを借りた場合、金利の支払いがいやだな、と感じる方もいらっしゃるでしょう。しかし、先ほどの例で言うと、借りた1000万円から10%のリターンを生み出せた場合はどうなるでしょうか。10%のリターンですから、

1000万円×10%=100万円

という利益が生み出されることになります。

すると30万円の金利を払ったとしても、手元には70万円のお金が残りますよね。こうして支払う金利よりも高いリターンを生み出せると、自分のお金を使わずにお金を増やしていくことが可能になります。

このケースでいうと、リターンの10%と、金利の3%の差である7%のことを、

イールドギャップ=金利差

と言ったりします。特に不動産投資で良く使われる言葉で、投資利回りと長期金利の差を表しています。

3.どう上手くレバレッジをかけるか


上手に借入金を利用するには、投資対象において十分なイールドギャップが確保できるか、というのをチェックしましょう。例えば実質的な投資利回りが3%の投資対象に対して、金利を2%支払わなくてはならない場合、イールドギャップは1%

すこし借入金の金利が上昇すれば、イールドギャップは埋まってしまい、投資で生み出される利益よりも支払うコストの方が高くなってしまうかもしれません。となると、借入金を利用して投資をするのはリスクが高そうです。

基本的には借入をして投資を行う場合は、それ以上のリターンが十分に見込める場合に限るのが良いでしょう。

また、ただ利回りが高ければ良いわけでもなく、借入金は最終的に元本まで返す必要がありますから、元本が毀損しにくい投資対象を選ぶのも大切です。銀行は株式やFXへの投資をしたいと言っても決してお金を貸してくれません。それは元本の毀損する確率が高い、と銀行が判断するからでもあります。

借入金を起こしての投資に向いているのは、やはり安定した賃料収入が見込める不動産への投資である、と言えるのではないでしょうか。

4.まとめ


今回は金利と投資利回りというテーマで書かせていただきました。

イールドギャップという言葉はちょっとカッコいい感じですが、実際にはコストで支払う金利と、投資利回りから得られる金利の差のことを指します。こちらが大きければ大きいほど借入金を起こした場合は良い投資ができますので、意識してみていただければと思います。

ただし、借入金で投資を行う場合は元本までしっかりと返済ができることも重要です。投資対象の安全性も十分に気をつけて投資を実行するようにしましょう。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

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