株式会社AWARDの渡邉です。
LVMHのベルナール・アルノー氏とイーロン・マスク氏がパリで会食をした、というニュースが出ていました。このお二人は世界の長者番付の2023年時点の1位と2位になります。
イーロン・マスク氏については何度かコラムでも取り上げていましたので、今回は、
ベルナール・アルノー氏とは?
というテーマでお送りさせていただきます。
1.LVMHの歴史
2.ベルナール・アルノー氏の功績
3.LVMHの芸術文化への貢献
にわけてご紹介しますね。
1.LVMHの歴史
ラグジュアリーグッズ業界において世界的な地位を築いているLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)。
LVMHができたのは、1971年にモエ・エ・シャンドンとヘネシーの統合によって誕生したモエ・ヘネシー・グループが、1987年にルイ・ヴィトンとの統合したときです。ルイ・ヴィトンは19世紀に誕生したフランスの高級ブランドですから、LVMHのルーツは19世紀にまでさかのぼることになります。
このLVMHは、フランスの実業家であるベルナール・アルノー氏の指導の下で大きな発展を遂げました。アルノー氏がLVMHグループの実権を握ったのは1989年のことです。
そこからアルノー氏は会長兼CEOとして、その経営手腕とビジョンにより、同社を世界最大のラグジュアリーグッズグループへと押し上げました。
2.ベルナール・アルノー氏の功績
LVMHはアルノー氏のリーダーシップの下、継続的な成長を遂げてきています。
グループは世界中に店舗やブティックを展開し、幅広いセクターにわたるブランドを手掛けています。時計、ジュエリー、化粧品、香水、スピリッツ、ワイン&スピリッツ、ホテル、美術館など、多様な領域でLVMHはその存在感を示しています。
アルノー氏がLVMHを率い出した1990年から現在までにLVMHの株価は40倍以上へと成長しています。また、アルノー氏は創業者ではありませんが、LVMHの最大の株主であり、同グループにおける持ち株比率はかなりの割合を占めています。資産が成長していくのは当然のことでしょう。
また、アルノー氏は自身の長男や次男といった家族もLVMHの中で要職に就かせています。後継者は家族になる可能性もあるのでしょう。今回のマスク氏の会食でも、長男と次男を同行させたそうです。
3.LVMHの芸術文化への貢献
また、LVMHは、芸術と文化に対して大規模な貢献活動をしています。
これはベルナール・アルノーがこだわりをもって長期的に展開してきた企業プロジェクトの礎のひとつでもあります。
2006年には、ルイ・ヴィトン財団を設立し、パリのボワ・ド・ブローニュに美術館を建設しています。この美術館は現代アートの展示や文化プログラムの場として世界的に知られており、アルノー氏の芸術への情熱と支援を象徴しています。
2019年には火災で損傷したパリ・ノートルダム大聖堂を救出・修復する目的で2億ユーロという異例の寄付を行っています。これも歴史的遺産を保護・拡充していくという、LVMHグループのコミットメントを顕著に示す直近の例として挙げられるでしょう。
他にも若い芸術家の支援、世界中での大規模な展覧会の開催など、活動をあげると枚挙にいとまがありません。こうした活動もLVMHのブランド価値を支え、強固な地位を世界で築いている理由と言えるでしょう。
4.まとめ
LVMHの2023年6月21日現在の時価総額は現在4259.46億EUR。日本円換算すると65兆円を超えています。これは、日本が誇るトヨタ自動車の2倍弱といった規模になります。
これだけの企業を育ててきたベルナール・アルノー氏は、現代を代表する起業家なのは間違いありません。
現在長者番付の1位を取得しているのがテクノロジー企業ではなく、世界的なブランドを持つ企業のCEOである、というのも興味深いところです。
ベルナール・アルノー氏。ぜひこのお名前も記憶にとどめていただければと思います。