FOMC開催、利上げ見送り

資産運用

株式会社AWARDの渡邉です。

FOMCが開催、利上げ見送り

というタイトルで今回のコラムはお送りさせていただきます。

1.2022年3月以来で初の利上げ見送り

2.年内には追加で2回の利上げも

3.各資産の値動き

といったテーマについてそれぞれ見ていきましょう。

1.2022年3月以来で初の利上げ見送り


米国の金融当局が利上げを始めたのは、2022年3月のことでした。2020年からのコロナへの対応で金融緩和を行ったことの巻き戻しを始め、0.00-0.25%だったFF金利(米国の政策金利)は、5.00-5.25%まで上昇してきました。

この間のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、すべての会合で利上げを決定してきましたが、今回6月13-14日にかけて行われたFOMCでは1年3ヵ月ぶりに利上げを行わないことが決定されました。

急激なペースで利上げを進めてきた結果か、米国のインフレ率は徐々に落ち着きつつあり、米労働省が6月13日に発表した5月のCPI(消費者物価指数)は前年比の伸び率が4.0%と、2021年3月以来、2年余りぶりの穏やかな伸びとなっています。こうした背景も利上げを一旦停止する後押しになったのでしょう。

2.年内には追加で2回の利上げも


ただし、今回発表されたFOMC参加者による最新の経済・金利予測では、政策金利が年末までに5.6%に上昇すると予想されていることも示されました。

前回の予測では5.1%だったため、今後0.50%の追加利上げが示唆されていることになります。FOMC参加者の中ではインフレ抑制のため追加で引き締めが必要との考えがあることが明らかになっています。

現在のFF金利は5.00-5.25%となっているため、年末までにFF金利は5.50-5.75%となる可能性が高まりました。

3.各資産の値動き


さてこうした状況を受けて、各資産はどのように動いたのでしょうか。

6月15日7時時点での様子を見ると、為替は1ドル=140円と昨日とさほど変わらない水準で落ち着いています。

NYダウ:33,979.33(前日比-0.68%)

S&P500:4,372.59(前日比:+0.082%)

NASDAQ:13,626.48(前日比:+0.39%)

米国の株式市場もほぼ波風なしでした。今回のFOMCは概ね事前に予想されていた結果と一致していた、と言えるでしょう。

意外と大きく動いたのは、仮想通貨です。

ビットコイン:353万円(-2.82%)

イーサリアム:23.2万円(-4.81%)

と大幅に値下がりしています。高い金利がキープされれば、金利がつかない仮想通貨の価値は落ちやすくなる、と考えれば良いでしょう。

4.まとめ


FOMCを通過しましたが、金利は据え置き、年内に+0.50%の利上げの可能性あり、といったところで落ち着きました。概ね事前に予想されていた結果に近く、各資産の値動きは穏やかでした。

今年は株式市場にとってはかなり恵まれた年になる様相があります。米国株は年初から+10%以上、日本株は年初から+20%以上になっています。

利上げが落ち着いてくれば、市場では安心感が増していきます。突発的な出来事に気をつけるのは変わりませんが、株式の上昇にはうまく乗っていただければと思います。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

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