投資のリターンと手数料

資産運用

株式会社AWARDの渡邉です。

前回のコラムで、世界株に過去30年投資をしていたら?といった内容について取り上げ、過去30年間の世界全体の株式の平均リターンが年間8.4%であることをご紹介させていただきました。

今回はこの数字をもとに、

投資のリターンと手数料

について考えてみましょう。

1.投資信託の手数料

2.年に2回投資信託を売買したら?

3.投資の手数料の考え方

といった流れでご紹介させていただきます。

1.投資信託の手数料


投資信託の手数料は主に2つに分けられます。その2つとは、

購入時手数料(販売手数料)…購入する際に購入価格に対してかかる

運用管理費用(信託報酬)…保有している額に対してかかる

となります。購入時手数料は最大で3%ほどに設定されている投資信託が多く、運用管理費用はピンキリですが、年間0.1~2.0%程度となっています。

2.年に2回投資信託を売買したら?


さて、ではここで購入時手数料が3%、運用管理費用が1.5%の投資信託を、1年間に2回売買することを考えてみましょう。

まず、1回目の購入で購入時手数料が3%かかります。売却時する際にも手数料がかかることもありますが、ここではその手数料はないものとしましょう。

そして、1回売却して手元に戻ってきたお金を使って、また投資信託を購入すると、そこでも3%の購入時手数料がかかります。

そして保有期間中に手数料が運用管理費用として1.5%かかります。

合計すると、3%+3%+1.5%=7.5%となり、1年間に7.5%の手数料がかかっていることになります。

3.リターンを求める上での手数料の考え方


さて、世界株に過去30年投資をしていたら?のコラムでご紹介した通り、全世界の株式に過去30年間投資をしていた場合の年間平均リターンは8.4%です。ここから先ほどの7.5%を引くと、

8.4% – 7.5% = 0.9%

となり、0.9%しか残らないのがお分かりいただけるでしょうか。

証券会社や銀行などで購入した投資信託を半年に1回売買している、という方は本来得られるはずのリターンを手数料で削り取られてしまっているかもしれません。

一方でネット証券などでは、購入時手数料が0%、運用管理費用が年間0.1%、といった商品も存在します。

こうした商品であれば、

8.4% – 0.1% = 8.3%

といったように、手数料の影響を最小限に抑えながら投資のリターンを享受することが可能です。

4.まとめ


投資のリターンに手数料がいかに大きな影響を及ぼすかについて、今回はご紹介させていただきました。購入時手数料が高い商品を頻繁に売買している方は、本来投資で得られるはずのリターンをほとんど手数料で削られてしまっている、という場合も多いのでご注意いただきたいところです。

手数料が高い商品がすべて悪い商品である、ということはありませんが、その手数料を支払う価値がある商品かどうかはぜひ考えて投資するようにしてみていただければと思います。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

カテゴリーから記事を探す

最新の金融情報やセミナー
情報を日々お届けします