米規制当局、大手暗号資産取引所を提訴

資産運用

株式会社AWARDの渡邉です。

米規制当局が大手暗号資産取引所を提訴

しました。

1.提訴された大手取引所

2.提訴の内容は?

3.暗号資産の値動き

といった流れでご紹介させていただきます。

1.提訴された大手取引所


米証券取引委員会(SEC)は6月5日、暗号資産取引所Binanceと同社のCEOらを連邦証券法違反の疑いで提訴しました。

Binanceは世界最大の暗号資産取引所で、グローバルに展開するBinanceと米国で展開するBinance USにわかれています。法的なリスクを回避するために取引所をわけていましたが、SECからは厳しい目を向けられています。

また翌日6月6日にはSECは米国最大の暗号資産取引所であるCoinbaseを提訴しました。世界最大の暗号資産取引所と米国最大の暗号資産取引がほぼ同時に提訴された、ということになります。

2.提訴の内容は?


Binanceに対する提訴の内容としては下記のようなものになります。

1:Binanceが米国で取引所として登録せずに活動したいたこと

2:証券と見なされる暗号資産の販売やステーキングのサービスを行ったこと

3:米国の投資家がグローバルのBinanceにアクセスすることを制限しなかったこと

こうした内容については、米商品先物取引委員会(CFTC)などが同じ見解をBinanceに対して示しており、3月にはCFTCが連邦裁判所に対し告訴状を提出しています。

Coinbaseに対する訴状の内容としては、上記の2にあたる点が挙げられているようです。SECはCoinbaseに対して証券法の順守ならびに証券と見なされる暗号資産の販売やステーキングで得た利益の放棄を求めています。

3.暗号資産の値動き


6月6日にBinanceに対するSECの提訴の件がニュースに流れた際に、暗号資産の市場は大きく下落しました。

ビットコイン(BTC)の価格は最大で7%ほど下げ、Binanceが発行するバイナンスコイン(BNB)などは最大13%ほど下げました。

一方でCoinbaseが翌日に提訴されるとBinanceの問題だけではない、という安心感からからかBTCの価格はほぼ戻しています。

Coinbaseは上場企業なので、株価がかなり下落しました。ここ5日間ほどで株価はマイナス13%ほどになっています。

SECから睨まれていることを考えると、今後のBinanceやCoinbaseの立ち回りは暗号資産の将来に大きな影響がありそうですね。なお、SECによる暗号資産関連の訴訟ではリップル(XRP)を発行するリップル社に対するものが有名ですが、こちらは決着がついておらず、SECによる全面勝利の可能性は3%以下、という報道もあります。

SECが提訴したからといって、SEC側が完全に勝つわけではないのも米国らしいところです。

4.まとめ


BinanceとCoinbaseという大手暗号資産取引所が米証券取引委員会(SEC)より提訴されました。

体制の整備や、法的に合致しない部分の利益の放棄などを求めていますが、争いは長引くことが予想されます。

BTC価格は一度下落してからほぼ戻していますが、こうした暗号資産にまつわる法的なリスクについては適切に評価していきたいところです。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

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