ChatGPT開発のOpenAI赤字

資産運用

株式会社AWARDの渡邉です。

大規模な自然言語処理モデルChatGPT。皆さんはもう使ったことはあるでしょうか。AIの進化がすごいということで、とても話題になっていますよね。

そんな

ChatGPTを開発しているOpenAIが大幅な赤字

を出しているというニュースが流れました。大幅な赤字の中でChatGPTは進化していくことができるのでしょうか?

1.OpenAIの赤字額

2.来年の売上の見通しは

3.将来的な資金調達について

といった流れでご紹介させていただきます。

1.OpenAIの赤字額


OpenAIの赤字額は、2022年に5億4000万ドル(約730億円)に上ったとのことです。

同じくAIの研究をしている米IT大手Google等からの人材獲得や、AI開発に伴うコストがかさみ、赤字額が2021年から2倍に拡大したとのことです。

AIの開発は、技術力をもったエンジニアはもちろんのこと、ビッグデータを保存するストレージ、機械学習・ディープラーニングを可能とするだけの計算能力を備えたコンピューターなどの大規模な投資が必要です。そうした投資を実行する中でOpenAIは大きな赤字に陥っていると言えます。

2.来年の売上の見通しは


OpenAIは非上場企なため、詳細な財務情報は開示されていませんが、メディアなどによると2022年の売上高は2800万ドルだったとのことです。赤字額は5億4000万ドルですから、売上の19倍もの赤字を出していることになります。

OpenAIがChatGPTを無料公開したのは昨年の11月で、今年の2月からは有料版を開始しました。有料版を公開したこともあり、2023年の売上高は2億ドル超に達する可能性が高いとのことですが、開発費の増加によって赤字は今後も拡大することもあり得るそうです。

黒字転換までにはまだまだ時間がかかりそうですね。

3.将来的な資金調達について


こうした赤字体質のOpenAIですが、その開発を支えているのは投資の力となります。

最大の投資家はMicrosoftだと言われており、100億ドル(約1.3兆円)の巨額投資を行っているともされています。Microsoftは2019年、2021年、2023年と繰り返しOpenAIへの投資を実践してきており、OpenAIとパートナーシップを結んでいます。

Microsoftは投資と引き換えに、OpenAIが開発しているAIを自社の検索ツールであるBingへと組み込むなどを始めています。

OpenAIの従業員は現在約400人ですが、人材獲得や開発費の工面のために、今後数年間で1000億ドル(約13.4兆円)を調達する可能性があるとのこと。まだまだMicrosoftによる投資は続くかもしれませんし、他に大きなスポンサーが現れる可能性もあるでしょう。

4.まとめ


ChatGPTなど素晴らしいAIを開発しているOpenAI。しかし、単独の会社としてはまだまだ赤字が続く会社です。

こうした技術をもった会社の開発を支える存在として投資があります。OpenAIとパートナーシップを結んでいるMicrosoftは巨額な投資を実行してくれるスポンサーにあたるわけですね。

世の中の技術の発展を後押ししている影の存在として、投資があることをぜひ知っていただければと思います。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

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