株式会社AWARDの渡邉です。
GW中ですが、米国では米連邦公開市場委員会(FOMC)が行われました。
5月のFOMCの結果
について、
1.利上げと次回からの利上げ停止示唆
2.市場の反応は
3.今後の課題は
といった流れでご紹介させていただきます。
1.利上げと次回からの利上げ停止示唆
5月2、3日にかけてFOMCが開催され、主要政策金利を0.25%引き上げることを決定しました。また、米国の景気の後退局面入り、銀行の破綻など経済面でのリスクが強まる中、利上げが今回で打ち止めになる可能性が示唆されています。
今回の利上げでフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は5.00-5.25%となりましたが、こちらは2007年以来の高水準な政策金利となります。利上げは全会一致で行われたとのことです。
また利上げの停止の示唆は、会合後に発表された声明から読み取ることができます。前回の声明に盛り込まれていた「いくらかの追加引き締めが適切となる可能性を見込む」との文言が削除され、「委員会は入手する情報を注意深く見極め、その金融政策への含意を判断する」といった記述に変更されています。
2.市場の反応は
FOMCを通過し、市場は、
ドル安、株安
に動きました。
発表直後、ドル円は50銭程度、円高・ドル安に振れましたが、その後は戻し、135円台前半で推移しました。また、日本時間の5月3日6時前にまた大きく円高に振れ、現在は134円台後半になっています。
米国株はやや株安に振れ、
NYダウ:-0.80%
S&P500:-0.70%
NASDAQ:-0.46%
となっています。
0.25%の利上げは事前に予想されていた内容だったため、比較的影響は小さいFOMCだったと言えるでしょう。
3.今後の課題は
次回のFOMCで利上げの停止が行われ、その後利下げに転じるとするならば、パウエル議長が率いるOMCによる利上げの道のり完了したと言えます。
2022年3月から2023年5月までの1年2か月間で合計5.00%の利上げでしたから、米国の歴史上で初のスピードでの利上げでした。2022年6月から2022年11月にかけては4回のFOMCで0.75%という急激なスピードでの利上げを行ったのも大きな取り組みでした。
ここまでのところ、パウエル氏による米国市場の舵取りは上手くいっていると言えるのではないでしょうか。
今後の課題は、
・米国の景気の動向
・米国の銀行の財務体質の動向
・インフレの動向
などでしょう。景気の後退局面入りを避けることができるか、銀行の破綻を食い止めることができるか、インフレを抑え込むことができるか、というバランスが見られながら政策決定がされていくことになります。
今年の後半からは利下げに転じる可能性も高いと考えている市場関係者は多いようです。
4.まとめ
FOMCでは0.25%の利上げが決定され、次回から利上げが停止となる可能性があることが示唆されました。
ドル安、株安に振れましたが、振れ幅は小さく、パウエル議長と市場との対話は上手くできていると言えるでしょう。
今後は、景気、銀行、インフレといった要素を鑑みながら政策決定が行われていくことになると思われますが、今年の後半からは利下げに転じる可能性も高いと見られています。米国の金利は世界経済を左右しますので、引き続き要チェックです。