株式会社AWARDの渡邉です。
皆さんは資産運用をするときに、手数料のことはどのくらい気にしてらっしゃいますか?
手数料のインパクト
について、今回はご紹介させていただきます。
1.手数料で生まれる運用成果の差
2.信託報酬であれば年間0.3%以下が目安
3.実質的なコストをきちんと見る
と言った流れでご紹介させていただきます。
1.手数料で生まれる運用成果の差
運用成果は手数料や信託報酬などのコストが大きく影響します。今回の例では、100万円を利回り5%で運用し、信託報酬が0.1%と1%の場合を比較してみましょう。
信託報酬0.1%の場合: 運用利回りは5% – 0.1% = 4.9%です。30年後の収益は100万円 × (1 + 4.9%)^30 = 420万円ほどになります。
信託報酬1%の場合: 運用利回りは5% – 1% = 4%です。30年後の収益は100万円 × (1 + 4%)^30 = 324万円ほどになります。
結果的に、信託報酬が0.1%の場合と1%の場合で、30年後の運用成果には約96万円の差が生じます。信託報酬の僅かな違いが長期的な運用成果に大きな影響を与えることがわかります。このように、手数料や信託報酬は運用成果に重要な要素であり、低コストの選択肢を検討することが重要です。
2.信託報酬であれば年間0.3%以下が目安
投資信託であれば大きな手数料は信託報酬や販売手数料となります。
まず、投資信託の信託報酬は、運用会社が投資家から受け取る手数料であり、投資信託の運用実績に影響を与えます。信託報酬が低いほど、投資家のリターンが高くなる可能性があります。最近は信託報酬の水準もかなり低下してきています。0.3%以下の信託報酬を目安にすることで、コストを抑えられる投資信託を選ぶことができるでしょう。
ただし、手数料が高くても他より魅力的に感じる商品はあるかと思います。その場合は、手数料を考慮しても投資したい対象であるかをしっかりと考えることが大切です。
次に、販売手数料についてです。販売手数料は一度だけかかる手数料なので、長期投資をする場合は影響がすこしずつ薄まります。
一方で、販売手数料がかかっている商品は短期間での売買はできる限り避けるべきです。短期間で売買すると、販売手数料が投資リターンを圧迫するからです。
例えば、販売手数料が1%かかる投資信託を購入し、短期間で売却する場合、投資信託の価格が1%以上上昇しない限り、手数料分の損失が発生します。このため、販売手数料がかかる投資信託については、長期的な運用を目指すことが、手数料の影響を緩和し、投資効果を高めるために重要です。
以上の理由から、投資信託選びでは信託報酬を0.3%以下に抑え、短期間での売買を避けることが、望ましいでしょう。
3.実質的なコストをきちんと見る
また、ラップ口座や変額保険は、投資信託と一緒に使われることが多いお金の運用方法です。投資信託には信託報酬という手数料があることをご紹介させていただきましたが、ラップ口座や変額保険では、信託報酬以外にも、さまざまな費用がかかります。
ラップ口座は、投資家がお金をお任せで運用してもらうためのサービスです。このサービスでは、信託報酬のほかに、管理費やアドバイス料がかかります。これらの費用も、投資の成果に影響します。
変額保険は、保険と投資が組み合わさった商品で、保険料の一部が投資に使われます。変額保険では、保険の部分に利用される費用やその他の手数料がかかります。信託報酬以外のこれらの費用も、投資の成果に影響を与えます。
ラップ口座や変額保険を使うときは、信託報酬だけでなく、それぞれの商品にかかる費用を考えることが大切です。全体の費用を理解して、自分に合った運用方法を選ぶことが、お金を増やすための秘訣です。
4.まとめ
資産運用を行う際には手数料に敏感になるのが成功の秘訣の一つです。手数料の差が将来の運用成果に大きな影響を与えます。
投資信託であれば販売手数料や信託報酬が大きな手数料として挙げられますが、信託報酬は0.3%以下というのを一つの目安にしましょう。
またラップ口座や変額保険は、中身に投資信託が使われている金融商品ですが、枠組みを使うために信託報酬以外に大きなコストがかかっています。こうした金融商品を利用する場合には、実質的なコストまで考慮すると良いでしょう。