世界のユニコーン企業の動向

資産運用

株式会社AWARDの渡邉です。

スタートアップ企業の中でも特に巨大な時価総額になったものを、ユニコーンと呼びます。そのようなユニコーンに新規に該当するようになる企業が減少しているとのことです。

世界のユニコーン企業の動向

について、

1.ユニコーンとはなにか

2.ユニコーンになるために必要な条件とは

3.新規のユニコーンが減っている理由

といった流れでご紹介させていただきます。

1.ユニコーンとはなにか


ユニコーンとは、上場していないスタートアップ企業のうち、評価額が10億ドル(約1300億円)以上のものを指します。

この言葉は、シリコンバレーで成功したエンジェル投資家であるアイリーン・リーが2013年に提唱しました。ユニコーンは一角獣という名前が示すように、珍しい存在であることを意味しています。メジャーリーグで投打の二刀流で優れた成績を残している大谷翔平選手も同様の意味でユニコーンと言われたりしますよね。

ただし、現在では10億ドル以上の評価額を持つスタートアップ企業は、この言葉ができた2013年ほどは珍しくなく、2023年3月末時点では1206社に上るとのことです。

2.ユニコーンになるために必要な条件とは


企業がユニコーンになるためには、以下のような条件を満たすことが必要です。

革新的なアイデア:10億ドルの評価を得るのは並なことではありませんから、市場に革新をもたらし、競合他社に対して優位性を持っていることが重要です。

優れたリーダー:成功するユニコーン企業には、ビジョンを持ち、チームを引っ張ることができるリーダーがいることが大切です。

高い成長性:高い成長率を示し、市場からの評価を得る必要があります。

こうした条件を満たした企業が、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルから資金を調達することができ、ユニコーンへと成長することができます。

3.ユニコーンが減少している理由


ただし、こうしたユニコーンへと新規でなる企業が減っています。2023年1〜3月に誕生したユニコーンは13社と前年同期の10分の1、四半期ベースで6年ぶりの少なさだったとのことです。

革新的な企業が出にくくなっているという側面もあるかもしれませんが、直接的な影響はスタートアップに対する投資の減少です。

2023年1〜3月のスタートアップの資金調達額は前年同期に比べ6割も減ってしまっています。金融緩和が積極的に行われたときには、成長性が高いスタートアップに対して巨額な資金が集まっていましたが、現在のような利上げが行われている状態ですと、より安定的な場所に投資資金は向かう傾向があります。3月のシリコンバレーバンク(SVB)の破綻からも影響を受けているようです。

新規のユニコーンが現れないということになると、世界の成長自体を鈍化させてしまう可能性もあります。

4.まとめ


巨額な時価総額を持つユニコーンと言われる未上場のスタートアップ企業についてご紹介させていただきました。新規のユニコーン数は減っていますが、これは金融引き締めの中でスタートアップ企業に対する投資が鈍化していることが主な原因となります。

革新的な企業の登場は、世界の成長を牽引してくれますから、投資が活発になってくると望ましいのではないでしょうか。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

カテゴリーから記事を探す

最新の金融情報やセミナー
情報を日々お届けします