円キャリートレードとは

資産運用

株式会社AWARDの渡邉です。

ウォーレン・バフェット氏が日本円で資金を調達して、日本株への投資意欲を示したことを先日のコラムでご紹介させていただきましたが、日本円で融資を引いたことから、円キャリートレードを狙っているのでは、という意見も耳にしました。

今回は、

円キャリートレード

について、

1.円キャリートレードの仕組み

2.円キャリートレードのリスク

3.円キャリートレードの注意点

といった流れでご紹介させていただきます。

1.円キャリートレードの仕組み


円キャリートレードは、為替市場において日本円と外貨の両方を利用し、為替差益と金利差益の両方の運用益を狙う取引のことです。日本円を借りて、外貨に対して投資を行います。

為替差益は、日本円と外貨の交換レートの変動による利益です。たとえば、1ドル=100円の時に100万円で10,000ドルを買い、1ドル=110円になったときに再度日本円に交換すると、100万円+10万円=110万円となり10万円の利益が得られます。これが為替差益になります。

金利差益は、現在の日本の金利が諸外国の金利よりも低いため、日本円を借り入れて外貨を購入し、金利差益を得ることができます。100万円借りて毎年1%の金利を支払っても、外貨を買って4%の金利を得られるであれば、4%-1%=3%の金利差益が得られる、ということですね。

2.円キャリートレードのリスク


円キャリートレードには、為替差益と金利差益を狙えるというメリットがありますが、リスクも存在します。

為替差益にしても金利差益にしても、日本円を借り入れた後の為替レートの変動リスクがあり、円高になると日本円を買い戻す際に必要な外貨の額が大きくなり、損失が発生することがあります。

円安に向かう場合には有利な取引となりますが、円高になると円キャリートレードは大きな損失を生む可能性があるのです。

バフェット氏が円を調達して、仮に外国への投資を行うとすれば、将来的な円安を予想している、というように考えることもできそうですね。

3.円キャリートレードを行うには


個人が円キャリートレードを行うには、まず日本円を借り入れることと、外貨を購入する必要があります。

借入は銀行などの借入を想像する方が多いと思いますが、個人でトレードをするために銀行からお金を借りることはほぼ不可能です。そのため、外国為替証拠金取引(FX)などを利用して、レバレッジをかけて円を売って外貨を買う、という取引を行うのが現実的と言えます。

しかし、FXを利用する場合には、レバレッジが効くため自分自身が持っているお金以上の取引が可能になります。十分にリスクを考慮した上で取引をすることを意識したいところです。

4.まとめ


円キャリートレードは、為替差益と金利差益を狙って行われる取引です。為替差益と金利差益をどちらも狙えるというメリットがありますが、為替リスクも存在します。

また、個人でやる場合はレバレッジをかけた取引になりやすいので、リスクを十分にコントロールした上で取引は検討するようにしましょう。

どちらかと言うと、バフェット氏がなぜ円で資金調達をしているのか、といったところに目を向けて今後の為替の動きを予想する参考にする、というくらいが多くの方にとっては良いかもしれません。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

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