株式会社AWARDの渡邉です。
世界中にある株式市場の中でも日本の株式市場は割安な市場です。
割安な日本株
の理由と魅力について、
1.成長に対する期待が小さい
2.株主還元策の差
3.割安な分だけチャンスはある
といった流れでご紹介させていただきます。
1.成長に対する期待が小さい
成長している企業は、現在出している利益が小さくても、将来的に大きな利益を生み出してくれることが期待され、大きな株価がつく傾向があります。年間の利益の何倍の企業価値(時価総額)になっているかがPERという株式の割高割安の指標として使われますが、こちらを米国と日本で比べてみると、
米国株式:20.3倍
日本株式:12.9倍
※マイインデックスより2023年2月のデータを引用
となっています。米国では利益の20倍ほど企業価値が平均的なのに対して、日本では利益の13倍ほどの企業価値しかついていないことになります。
仮に米国と同じくらいの利益に対する倍率で株価がつくとするならば、今の1.5倍の株価がついても良いわけです。
こうした株価がつかないのは、日本企業の将来的な成長率が小さいと見なされているから、ということになります。
2.株主還元の差
また日本株は株価に対して、純資産をたくさん持っています。企業がもつ純資産の何倍の企業価値がついているか、という指標をPBRと言いますが、
米国株式:3.9倍
日本株式:1.3倍
となっています。日本株は純資産とさほど変わらない評価しか受けていないことになります。
こうした評価を受けている理由の一つとしては、株主への還元政策が考えられます。純利益に占める配当と自社株買いの合計額の比率である「総還元性向」は2020年末で見ると米企業全体では平均83%なのに対して、日本企業は平均29%だったそうです。
米国企業の方が、利益に対して株主への還元を積極的に行っており、日本企業は自社に貯め込む傾向にある、ということですね。経営方針の違いと言えばそれまでですが、外にお金を出したがらない日本企業の姿勢は、賃金が上がらない日本の構造にも繋がっているようにも思えます。
3.割安な分だけチャンスはある
さて、こうして米国企業と日本企業の差を見てきましたが、利益に対する株価、純資産に対する株価で見ると、利益の面では1.5倍ほど、純資産に対しては3倍ほど日本株は米国株に対して割安であることがわかりました。
こうした点を踏まえると、日本の株式市場は潜在的に大きな成長をするポテンシャルを持っていることもわかります。
・成長率を上げること
・株主還元を強化すること
を実行することができれば、株価は大きく上がり得ると言えるのではないでしょうか。
東京証券取引所も、市場での評価が低い企業に対して株価上昇につながる具体策を作り、株主に開示するよう求めています。
現在日本の株式市場は元気のある市場だとは世界から見なされていませんが、少しのきっかけで変化する可能性を秘めていることを押さえておいていただければと思います。