黒田総裁、本日退任

資産運用

株式会社AWARDの渡邉です。

日本銀行を率いてきた

黒田総裁が本日を最終日として退任

なさいます。

1.黒田総裁がやってきたこと

2.任期中の成果

3.今後の日銀の課題

といったテーマについて書かせていただきます。

1.黒田総裁がやってきたこと


黒田総裁は2013年3月20日に日銀の総裁に就任なさいました。

10年1ヵ月に渡って日本の金融政策を司ってきたわけですが、この期間は歴代最長となります。

黒田総裁が率いる日銀が実施してきた政策としては、

-マイナス金利政策の導入

-量的・質的金融緩和

-イールドカーブ・コントロール(YCC)

などがあります。金融緩和をかなり大胆に推し進めた総裁だったと言えるでしょう。

2.任期中の成果


黒田総裁の任期中の株価を見てみると、

《日経平均株価》

12,468.23(2013年3月19日終値)

⇒27,518.31(2023年4月7日終値)

となっています。任期中の日経平均株価は、+121%ほどになっています。その前の10年間は日経平均株価は+50%ほどしか上がっていませんから、株価に対してはかなりポジティブな影響を与えた日銀総裁だったと言えるでしょう。

なおドル円の為替は、

1ドル=95.53円(2013年3月19日)

⇒1ドル=131.78円(2023年4月7日)

へと変化しており、円安も大きく進んでいます。

ただし、目標としていた2%の安定的な物価上昇の目標は、まだ未達であるとされています。

足元の物価上昇率は2%超えていますが、今後また物価の上昇率は鈍化すると日銀としては見ているとのことです。また物価上昇に賃金の上昇が伴っていないことも、日銀の本来目指しているところではない、とされています。

3.今後の日銀の課題


なお、今後の日銀は、黒田総裁が残した課題も解決していかなければなりません。

金融緩和を進める中で起こってきた副作用としては、

日銀が大量の国債や上場投資信託(ETF)を保有したこと

金融機関の収益が悪化したこと

市場機能が低下していること

などが挙げられています。

明日からは植田和男氏が日銀総裁に新たに就任します。黒田氏の戦略を継承するか、それとも変化を起こしてくるのか。

日本の市場環境は日銀の方針次第で大きく変化しますから、植田総裁の率いる新体制の日銀の動きに注目していきましょう。


執筆者:渡邉亮

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