株式会社AWARDの渡邉です。
米国の利上げ、シリコンバレー銀行の破綻、クレディ・スイスのUBSによる買収などによって、注目を浴びることになっている債券。
今回は、
債券投資のメリットとデメリット
を紹介します。
1.債券投資のメリット
2.債券投資のデメリット
3.お勧めの債券への投資方法
といった流れでご紹介させていただきます。
1.債券投資のメリット
債券投資には、以下のようなメリットがあります。
-安定した収益性
債券投資は、発行体から利息を受け取ることができ、安定した収益性があります。例えば、ある会社が債券を発行している場合、その債券は社債と呼ばれ投資家は会社から定期的に利息を受け取ることができます。また、市場金利の変動によって利回りが変動する場合がありますが、比較的予測可能な範囲内で変動するため、収益の予測が比較的容易です。
-リスクの分散化
債券投資は、株式投資と比較して、リスクが低い傾向にあります。債券投資は、株式投資と組み合わせてポートフォリオを構築することで、リスク分散することができます。安定したリターンを得たい場合、債券は魅力的な投資対象です。
-優先的扱い
債券は、発行体が財務状況が悪化した場合には、株主よりも優先的に扱われます。つまり、債券保有者は、優先的に債券本体や利息の償還を受け取ることができます。ただし、今回クレディ・スイスが発行していた債券の中には、この特徴に反して株式の価値が残っているのに無価値になった債券がありました。特殊な債券にはこの特徴から外れるものもあるので注意が必要です。
2.債券投資のデメリット
一方で、債券投資には、以下の3つのデメリットがあります。
-低いリターン
債券投資は、株式投資よりも低いリターンになることが多いです。過去の長期的なリターンを見てみると、債券よりも株式の方が高いリターンを出してきています。また、債券から高い利回りを得ようと高利回りの債券に投資する場合にはリスクが高くなる可能性があります。
-金利リスク
債券の価格は、金利の変動に影響を受けます。金利が上昇すると、債券価格は下落します。特に満期までの期間が長い債券はこの特徴が顕著なため、長期債券に投資する場合には金利リスクを考慮する必要があります。
-発行体リスク
債券は、発行体の信用力によってリスクが変わります。発行体の財務状況が悪化すると、債券保有者は債券本体や利息を受け取れなくなる可能性があります。そのため、信用力の低い発行体の債券に投資する場合には、高いリスクを伴うことがあります。これを回避するためには、信用力の高い発行体に投資することが重要です。
3.お勧めの債券への投資方法
こうしたメリット、デメリットを踏まえた上で、債券への投資方法をいくつかご紹介させていただきます。
-債券ファンドへの投資
債券ファンドは、投資家が債券市場に投資するための最も簡便な方法です。債券ファンドは、複数の債券を保有しているため、発行体による信用リスクを分散し小さくすることができます。手軽に債券に投資したい場合には、債券ファンドに投資することをお勧めします。
例えば下記などは米国の債券市場にバランス良く投資しているETF(上場投資信託)です。こうした投資対象は比較的容易に債券市場にアクセスする手段と言えます。
-直接債券を購入する
もちろん投資家が直接個別の債券へ投資することもできます。ただし、直接債券の購入には、十分な知識や経験が必要であり、発行体の信用力や債券の金利変動などのリスクを考慮する必要があります。また債券は最低投資額が非常に大きいことも多いため、小口での投資の場合は投資対象が限られる面があります。
直接債券を購入する場合は、国債が比較的ハードルが低い投資対象です。日本は個人向けに最低金利を設定した個人向け国債を発行していまし、米国債もネット証券で100ドルなどから購入できるようになっています。発行体も国ということで信用力も高いため、初めて債券投資をする場合でも比較的購入しやすい債券と言えるのではないでしょうか。
下記は日本の財務省の個人向け国債の案内ページです。2023年3月26日現在、10年物の変動金利の国債は0.33%の金利がつくようになっており、預金と比べると魅力的になっています。
4.まとめ
今回は、債券投資のメリットとデメリット、そして債券投資の方法についてご紹介させていただきました。
投資家は、投資の目的やリスク許容度に応じて、適切な投資戦略を構築する必要があります。債券投資は単独で行うだけでなく、株式投資や不動産投資などと組み合わせることで、リスク分散して、望むリターンを得ていただくのに活用できると良いでしょう。
債券は株式と比較すると馴染みが薄い投資対象かもしれませんが、伝統的な投資対象であり、銀行・保険会社・年金基金などの機関投資家も投資しています。一つの武器として債券投資も使いこなせるようになってみてはいかがでしょうか。