株式会社AWARDの渡邉です。
シリコンバレー銀行の破綻から、クレディ・スイスのUBSの買収劇まで、ここ数週間の金融業界は大いに揺れました。
危うく金融危機も起きるか?といった状況だったわけですが、金融危機時の立ち回り方について、
・過去100年でS&P500が30%以上下落したのは?
・リーマンショックの事例
・暴落時に株式を買った方が良い理由
といった流れでご紹介させていただきます。
1.過去100年でS&P500が30%以上下落したのは?
1920年から2020年までの約100年間で、S&P500が30%以上下落したのは8回ありました。
その中でも特筆すべきは、1929年の世界恐慌、1987年のブラックマンデー、2000年のドットコムバブル崩壊、そして2008年のリーマンショック、2020年のコロナショックが挙げられます。
これらの暴落は、世界経済に大きな影響を与えましたが、その後の全ての事例で市場は回復していくことを証明してくれました。特に直近の暴落であったコロナショックの際には、世界各国の政府・中央銀行が連携して対応にあたったため、わずか数か月で市場は回復しました。
こうした暴落をすべて乗り越えて、現在世界の株式市場は形成されている、という歴史は把握しておくべきでしょう。
2. リーマンショックの事例
今回のシリコンバレー銀行の破綻、クレディ・スイスの危機は、金融機関が危うくなることで経済への伝播が危惧されるという、リーマンショックに良く似たケースでした。
2008年のリーマンショックは、アメリカのサブプライムローン問題が引き金となり、世界中の金融市場に大きな混乱をもたらしました。サブプライムローンとは、信用力が低い借り手に与えられる住宅ローンのことです。このサブプライムローンが組み込まれた金融派生商品が多くの金融機関の財務体質に打撃を与えました。
そして、米国で4位の投資銀行であったリーマン・ブラザーズが破綻し、世界的な金融危機へと発展しました。このとき、S&P500はピークから約57%下落しています。
しかし、それほど株価が下落したリーマン・ショックのときでさえ、底値をつけた2009年3月から4年ほどで株価は暴落前の高値を更新しています。この事例からも、暴落時に株式を購入することが長期投資家にとって有益であると言って良いでしょう。
3. 暴落時に株式を買った方が良い理由
暴落時に株式を購入する理由はいくつかありますが、以下の3点が特に重要です。
・割安に購入できる
暴落により株価が下落すると、株式が割安になります。割安なタイミングに株式を購入することで、リスクを軽減し、利益を大きくすることができます。
・長期的な市場の回復
歴史的に見て、株式市場は暴落後に回復する傾向があります。そのため、暴落時に購入した株式は長期的には株価を回復し、高値を更新していく可能性が高いです。
・買付単価を下げられる
株価が下落している時に投資を実行すると、全体の株式の取得価格を下げることができます。これにより、市場回復時に利益を大きくすることが可能です。
このように、金融危機の際には冷静な行動が大きな利益に繋がります。
今回のシリコンバレー銀行、クレディ・スイスの事例は、暴落と言って良いほどの全体の市場への影響はありませんでしたが、情報を追って正しい判断を下すためには、良い事例と言えそうです。
歴史を知ってチャンスを逃さない準備をしておくようにしましょう。