スイス国立銀行、クレディ・スイス支援

資産運用

株式会社AWARDの渡邉です。

クレディ・スイスの問題について前回のコラムで触れましたが、ひとまず危機は回避されています。

1.スイス国立銀行の支援

2.UBSによる買収も?

3.FOMCの行方

といった流れでご紹介します。

1.スイス国立銀行の支援


筆頭株主が支援を否定したことで、株価が大幅に下落していたクレディ・スイス。その経営状態は危ぶまれており、リーマンショックの再来ではとの不安感が世界を包んでいました。

しかし、ここでスイス国立銀行が登場しました。クレディ・スイスは資本の基準を満たしており、支援を行うことを発表したのです。ほぼ同時にクレディ・スイスは、スイス国立銀行より最大で500億スイスフラン(=日本円で約7兆1000億円)の融資を受けることを発表しています。

巨額な融資を受けられることが決まれば、流動性の課題は一時的には払拭でき、当面の危機は乗り越えることができます。ただし、こうした公的支援を受けた際に、株式に転換される債券をクレディ・スイスは発行しており、一部の投資家は大打撃を受ける可能性もあります。

2.UBSによる買収も?


また、急遽浮上してきているのが、スイスで最大の銀行グループであるUBSによるクレディ・スイスの買収です。英紙フィナンシャル・タイムズが3月17日に関係筋の話として発表しています。

UBSとクレディ・スイスの両行が今週末に取締役会を開き、協議を実行するとのことです。実際のところ、中央銀行の支援で一時的な危機は去ったとしても、それだけでは再建は容易ではない、といった意見が他の銀行からは出ています。

一度失った信頼を取り戻すのは容易ではない、ということですね。この危機を乗り越えるための可能性の一つとして、UBSによる買収案が出てきているということになります。日本でいえば、三菱UFJ、みずほ、三井住友などが買収する、されるという話ですから実現すれば大きな出来事です。

3.FOMCの行方


さて、こうした不安定な市場の中、来週の3月21、22日にかけて米国の金融政策を決定するFOMCが開催されます。市場が不安定な中ではありますが、インフレへの懸念も根強く、利上げの見送りと、0.25%の利上げで市場の予想は割れています。利上げが見送りとなれば、現在のような不安定な相場でも株式は買われる可能性が高いでしょう。

来週のFOMCは米国の金融当局の判断がかなり注目されていますので、要チェックです。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

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