S&P500に投資するデメリット

資産運用

株式会社AWARDの渡邉です。

前回のコラムでは、S&P 500が米国市場における主要な500社の株式に基づく指数であり、多くの投資家にとって魅力的な資産であることをご紹介させていただきました。

しかし、S&P 500への投資にはデメリットもあります。

・価格下落リスクが大きい

・グローバルな分散がされていない

・為替リスクを伴う

という3つのデメリットについてご紹介させていただきます。

価格下落リスクが大きい


S&P 500は、米国市場における主要な企業の株式に基づく指数です。

したがって、米国市場に関連する出来事や経済指標の変化による影響を受けます。これは、市場全体に投資しているからこそ、市場全体の価格が下落すれば同様に価格が下がるということになります。

また、米国市場は世界全体の株式市場のうち50%以上を占めている市場です。米国に限らず、世界のどこかで問題が起こった場合でも、S&P 500はその影響を受けます。

そのため、世界的なリスクや市場の大幅な下落に対しては、S&P 500は強い投資対象ではありません。価格の下落リスクに備える上では、債券や金、ヘッジファンドなど、株式に連動しない資産も保有することが望ましいと言えます。

グローバルな分散がされていない


米国は世界最強の経済大国ですが、その一国で世界経済すべてを担っているわけではありません。

その点においてS&P 500は、グローバルな分散投資という観点からは偏りのある指数である、と言えます。

S&P500を構成している500社は米国を代表する大企業ですが、世界各国のローカルなビジネスの経済までこの指数だけでカバーできているわけではありません。

指数や投資対象としては、世界全体に投資ができるものも存在していますので、より広範な分散投資を行いたい、という場合にはS&P500へ盲目的に投資を行う必要はないと言えるでしょう。

為替リスクを伴う


S&P 500は、米国の株式市場に投資をしているので、為替リスクを伴います。つまり、米ドルの価値が低下すれば、日本円で資産を評価している日本人にとっては、株価が上がっていたとしても資産が減る可能性があるということです。

現在ドル円の為替レートは円安方向に進んでいますが、ドイツ銀行のレポートなどでは、今後円高に大きく振れて為替レートが1ドル=100円や1ドル=85円になる可能性もある、といったことが記載されています。

円・ドルは6割上昇も、日銀政策正常化と米金融緩和重なれば-ドイツ銀

将来の為替を予想するのは困難ですが、S&P500は外貨建ての資産であり、特別に為替ヘッジがされているといったケースを除けば、為替の変動の影響を受けることは理解しておきましょう。

まとめ


S&P 500は米国市場の主要企業の株式に基づく指数であり、多くの投資家にとって魅力的な資産です。

しかし、価格下落リスク、世界各国のローカルなビジネスにまで投資ができるわけではない、為替リスクを伴う、といったデメリットもあることを理解した上で投資を実行するようにしましょう。

どんな投資対象にも、メリットとデメリットは存在しており、それは表裏一体の関係だったりします。各投資対象の特徴を理解して、自身の望む成果が得られる投資対象の組み合わせを考えていきましょう。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

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