株式会社AWARDの渡邉です。
米連邦公開市場委員会(FOMC)は1月31日-2月1日に開催した定例会合で、主要政策金利を0.25ポイント引き上げることを決めました。
利上げ幅が緩まって来たことを市場は好感し、様々資産が上昇しています。
1.FOMCの声明
2.資産価格の変化
3.今後の焦点
といった流れでご紹介させていただきます。
1.FOMCの声明
2022年は1年間で4.25%の利上げを実施したFOMC。今年は0.25%と緩やかな利上げからのスタートとなりました。
FOMCが会合後に発表した声明では、
「インフレ率を2%に戻す十分に抑制的な金融政策スタンスを実現するためには、継続的な誘導目標レンジ引き上げが適切になると見込む」
という表現がされており、利上げはまだ継続されそうです。一方で、利上げサイクルの終了が視野に入っていることも示唆しており、
『政策金利を「今後どの程度引き上げるか」を決定する上では、金融政策の累積的な引き締めを含む複数の要素に左右される』
と記されています。ここしばらくは、利上げのペースを考慮する、という表現がされていたのに対して、今回は金利を今後どの程度引き上げるか、という表現に変わっており、金利引き上げの上限が意識された声明であると言えそうです。
2.資産価格の変化
こうしたFOMCを受けて、資産価格はポジティブに反応しています。
米国を代表する株価指数であるS&P500は、年初来で+9.30%とわずか1ヵ月の間の上昇幅としてはかなりの大きさとなっています。
今回のFOMCで利上げペースが緩やかになるのは事前に織り込まれていたので、FOMC後に急激に株価が伸びるというよりは、ここ1ヵ月ほどかけて上昇してきたような形です。
米国の新興市場の指数であるNASDAQ総合指数は、さらに大幅な上昇を見せており年初来で+17.46%になっています。
なお、ビットコインの上昇率も、今年に入ってから+39.27%となっています。昨年ダメージを受けた株式や仮想通貨といった資産価格が急激に回復してきている様子が見て取れます。
3.今後の焦点
今後の焦点は利上げの停止、利下げといった次の金融サイクルがいつやってくるか、ということかと思われます。
2023年は昨年に続いて株式市場にとっては苦しい年になると予想していた方も多かったのですが、1ヵ月ほどで風向きは変わってきました。米国のインフレ率が鈍化し、前月比でマイナスになってきたことなどが良い材料となっています。
インフレ率の鈍化、そして利上げペースの減速、といった要素が株価を押し上げているので、インフレ率が再度上昇したり、企業の決算が著しく悪くなってきたり、といったことが起きると株価はまた下がってくると思われますので、その点には注意しましょう。
2022年の1年間は投資をしている方にとって厳しい期間でしたが、2023年は報われる年になる可能性が高まっているのではないでしょうか。