埋没費用と機会費用

資産運用

株式会社AWARDの渡邉です。

お金の運用をする時に知っておくと良い考え方に、

埋没費用と機会費用

というものがあります。

本日はこの2つの概念についてご紹介させていただきます。

1.埋没費用とは

2.機会費用とは

3.いつを基準に考える?

といった流れでご紹介させていただきます。

1.埋没費用とは


埋没費用はサンクコストとも言われます。サンク(sunk)はsink(沈む、沈没する)の過去分詞形であり、埋没費用というのは、すでに生じてしまったコストの事になります。

一度かかってしまったコストは取り戻すことはできません。しかし、人間は一度お金をかけたものに対して執着をしがちになります。

超音速旅客機であるコンコルドの例が有名で、サンクコスト効果を別名コンコルド効果と呼ぶこともあります。ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をし続けることが損失につながるとわかっているにもかかわらず、それまでの投資を惜しみ投資がやめられないことになります。

2.機会費用とは


機会費用とは、オポチュニティーコスト(opportunity cost)とも言われます。人間の選択行動において、ある選択を行うことで失った(選択しなかった)ものの価値のことになります。機会損失、という言い方をすることもありますね。

私たちは、望むものすべてを手に入れることはできません。ある選択をする場合、別の選択をすることはできなくなります。同時に全ての選択を行うことは困難ですよね。

選ばれなかった他の選択肢を選んだときに得たであろう価値は失われることになり、これが機会費用となります。

投資のように将来の成長に対してお金を投じる行為を選択しなかった場合は、特に機会費用は大きくなります。

例えば投資で年間に4%のリターンを得られる環境にあるのに、手元にある100万円を金利のつかない預金で置いていた場合、年間に4万円の機会費用を支払っていると言い換えることができるわけです。

3.いつを基準に考える?


埋没費用は過去に支払ってしまった費用であり、それに捉われるのは合理的な行動ではありません。

一方で機会費用は今後の選択次第で自分が支払うことになる概念的な費用であり、これは色んな条件を検討した上で判断していくことになります。

埋没費用も機会費用も意思決定をする際に意識したいものですが、大切なのは、

『これから変えられること』

に意識を集中させることです。

投資で熱くなっているときや、金融商品の解約で悩んでいるときには、埋没費用に捉われすぎていないかを考えると良いでしょう。

機会費用に関しては、利益を最大化させる選択をする、というだけでなく金銭的な価値だけでは測れない人生の満足度をあげる選択も考慮に入れていただくのが良いでしょう。

ぜひこの2つの費用の概念を意思決定の際に意識してみてください。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

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