日本株の保有者の高齢化

資産運用

株式会社AWARDの渡邉です。

日本株の株主が高齢化しているという記事が日経新聞電子版に出ていました。

一方、若い方の資金は海外に向かっていることも同記事では示されています。

わたしたちが投資をする上で、日本株に対してはどのような考え方を持って付き合えば良いのでしょうか。

1.日本株の保有者の高齢化

2.若い方の資産は海外へ

3.日本株との付き合い方

といった流れに沿ってご紹介させていただきます。

1.日本株の保有者の高齢化


日経新聞が作成したデータによると、日本株の保有者として最大の世代と保有額は、

1989年:50代 60.1兆円

2019年:70代 80.2兆円(全体の41%を保有)

だったとのことです。

1989年と言えばバブル期であり、日経平均株価がピークをつけた年でもあります。その頃は日本の株式市場を牽引している個人投資家は、まだ仕事をしている現役世代であった、ということですね。

一方、現在では日本株の保有者としては70代が最も多くなっています。積極的な売買をしている割合は多くないと推察される世代ですし、バブル期に40代だった方が継続して株式投資を行っており、今も保有し続けている、というのもあるかもしれませんね。

いずれにせよ、日本株の保有者が高齢化している、というのは間違いないようです。

単純に現在日本の個人金融資産の60%超を60歳以上が保有している、という事実もあるので、高齢者の方が市場に占める割合が高くなるのは自然なことである、とも言えます。

2.若い方の資産は海外へ


また、大手ネット証券であるマネックス証券で年代別で個別株の約定金額(売買が成立した金額)を調査したところ、30代では米国株が58%と日本株を上回ったとのこと。また20代や40代でも米国株の比率は40%を超えており、若い世代からは海外の株式の方が日本の株式よりも好まれつつある傾向が見て取れます。

今後年月が経つと、個人投資家の間で相続が進みます。現在の若い方々に相続で日本株が渡ったときには、その日本株は売られ、さらに個人投資家の資金が海外に向かう可能性もありそうです。

今後、個人投資家による日本株の売り圧力は高まっていくかもしれませんね。

3.日本株との付き合い方


ただし、日本から海外に目を向けるというのは、個人投資家としての行動としては当然なことである、とわたしは考えています。

日本が世界の株式市場に占める割合は5~6%に過ぎません。日本で住んでいて、日本に暮らしているといっても、身の回りには海外で作られた製品やサービスであふれていますよね。

株式投資で利益を出すには、長期的に見て成長し続ける企業や利益を出し続ける企業へと投資をしなければなりません。少子高齢化が進み、経済規模も停滞している日本で戦っている日本企業には、今後苦しい展開が待っていると思われます。そう考えれば、海外への投資の割合を増やしていこうと考えるのは自然なことですよね。

とはいえ、日本の企業でも海外売上比率が80%以上であったり、世界で活躍している企業も少なからずあります。また国内でも市場を開拓したりシェアを拡大することで売上を伸ばし続けている企業も存在します。

日本株に悲観的になりすぎることはないですが、日本以外の成長している国への投資割合を増やしていくと良いのではないでしょうか。

まとめ


日本株へ投資している個人投資家が高齢化している、という話題でした。海外への投資を積極的に行っていく、というのは個人投資家の行動としては賛成です。

ただ、日本株へは大企業や外国人投資家も多くの投資を行っています。日本株がすべてダメなわけではなく、保有比率を調整するなど適切な付き合い方ができれば良いのではと思います。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

カテゴリーから記事を探す

最新の金融情報やセミナー
情報を日々お届けします