資産所得倍増プランの中身は

資産運用

株式会社AWARDの渡邉です。

政府が掲げている資産所得倍増プランについて、内容がまとまってきたようです。資産からお金が生み出される額が今までの倍になる、と思うと人生の自由度が高まりそうですよね。

今回は政府が掲げる資産所得倍増プランの中身について、特にNISA制度の拡充について確認してみましょう。

1.NISA制度の現在

2.NISA制度の拡充内容は?

3.今後の課題

といった流れでご紹介させていただきます。

1.NISA制度の現在


NISAは非課税で投資ができる口座のことで、現在は一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAの3つの制度が併存しています。

個別株まで含めて年間120万円までを5年間非課税で投資できる一般NISA、年間40万円までを20年間非課税で投資できるつみたてNISAに加え、未成年用で年間80万円まで投資ができるジュニアNISAです。

6月末時点で見ると、一般NISAとつみたてNISAの合計口座数は1703万、投資額は28兆円にとどまっているそうです。1口座あたりで計算すると約160万円。一般NISAなどは2014年から始まった制度ですから、まだまだ十分に活用されているとは言い難い数字です。

しかも、総投資額は28兆円に上りますが、NISA口座内で現在も運用されているのは、12兆円ほどでしかない、という話もあります。期間が定められていることもあり、長期の資産形成のための仕組みとして機能していない面もあるのではないでしょうか。

2.NISA制度の拡充内容は?


こうした現状を受けて、資産所得倍増プランの目玉とされているのが、2024年以降のNISA制度の改訂です。

ポイントとしては、

・5年間で口座数を3400万、投資額を56兆円に倍増

・制度の恒久化、非課税期間の無期限化

・年間投資額を拡大、生涯上限額を設定

・2024年に予定していた「2階建て」への見直し撤回

などにです。

特に大きいのは制度の恒久化、非課税期間の無期限化、年間投資額の拡大あたりでしょう。資産を増やすためには、大きい金額をできるだけ長く運用することが大切です。制度がずっと続くのであれば、安心して始めることもできそうですよね。

3.今後の課題


2024年以降に期待が持てるNISA制度ですが、課題もあります。

生涯上限額の設定次第では投資できる期間が限られる

未成年のNISA制度の利用について不明確(現行のジュニアNISAは2023年に廃止)

・NISAで買った商品のスイッチングについて(現行ではNISAで購入した商品を一度でも売ったら、その部分のNISAの枠はなくなる)

などでしょうか。

このあたりがすべて解決されれば、NISA制度は非常に使い勝手が良い制度になると考えられます。

まとめ


NISAの拡充を中心とした資産所得倍増プランについては、本日開かれる新しい資本主義実現会議の資産所得倍増分科会で示され、与党の税制調査会との協議を経て、12月にまとめられる2023年度税制改正大綱への明記が目指されているとのことです。

NISAの拡充は税収が減る話になりますので、財務省からすれば面白い話ではありません。全体の調整次第で掲げられている内容は変わる可能性もありますが、より使いやすい制度になるのを期待していきましょう。

あとは折角用意された制度も使わなけば全く意味がないので、ぜひ活用していきましょう。現行の一般NISA、つみたてNISAも使わなと勿体ないので、上手に使えてないという方はぜひご相談ください。


執筆者:渡邉亮

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