円建ての米国株式のリターン

資産運用

株式会社AWARDの渡邉です。

今年に入り大幅な円安が進んだことは皆さんご存じだと思います。そんな中で年初から米国の株式を保有していたら現在どのような状況になっているかについて見てみましょう。

1.年初からの米国株式の動き

2.円建てでの値動きは?

3.通貨を分散する意味

といった流れでご紹介します。

1.年初からの米国株式の動き


米国の株式はここ数年間、絶好調でした。例えば2019年の1月から2021年の12月までの3年間で、米国を代表する株価指数であるS&P500の上昇率は+88%にもなりました。新型コロナウイルスの感染拡大など、大きな出来事を乗り越え、この3年間で2倍弱にまで値上がりしたということですね。

米国株式がこのような力強い値動きをしていたのは、GAFAMのようなメガIT企業が市場を牽引していたのに加えて、金融緩和の影響が強くありました。

しかし、今年に入ってから米国の金融当局は、インフレを抑え込むために金融の引き締めを過去に例のないスピードで行っています。金融引き締めの影響もあり、S&P500も年初から一時-20%超の下落となっていました。

2.円建てでの値動きは?


-20%というと、景気後退局面入りの目安でもあります。現在は年初来からの株価で-10%ほどまで回復していますが、米国株への投資をしており不安になっていた方もいたのではないでしょうか。

しかし、今年は米国の利上げの影響もあり、ドル高円安が進んでいる年でもあります。米国株式に投資をしている場合、その資産は米ドルで保有していることになります。

円安の影響もあって実は米国株式への投資は現時点でプラスに転じているのです。7月末時点での円建てでのS&P500のリターンを見てみると、+1%になっています。

S&P 500 (配当込み) (円)

8月に入ってからも株価は上昇傾向にありますから、現在はS&P500の保有で+4%ほどのリターンが得られている状況です。

3.通貨を分散する意味


円安は、私たちが日本で保有している円建ての資産の価値を外貨ベースでかなり目減りさせました。一方で上記の例のように、外貨建てで保有している資産の日本円ベースでの価値は、逆に増やしてくれています。

今後の為替がどのように動くかは、誰にもわかりませんが、だからこそ日本円以外の資産もバランス良く保有しておくのがお勧めです。

日本円:外貨=50:50

の割合で持っていれば、為替がどちらに振れても、自分の資産価値のバランスは保つことができます。まだ国内の物価は為替の影響を反映したとは言えない状態ですので、今後モノやサービスの価格はさらに上がっていくことが予想されます。

現金の額面ではなく購買力を保てるように、外貨の資産を持つことや、お金がすこしずつ増える仕組みを持っておくことは意識するようにしましょう。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

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