株式会社AWARDの渡邉です。
昨日は5月米消費者物価指数(CPI)の発表がありました。物価の上昇は加速しており、株価指数は軒並み下げに転じました。
米国では急激な利上げを金融当局が行わざるを得ず、リセッション(景気後退)入りする可能性も高まっているという見方が増えています。
5月のCPIは前年比+8.6%に
米国のCPIは前年比+8.6%と40年ぶりの高インフレが続いています。
物価の上昇は人々の生活を圧迫するため、歯止めをかけることができなければバイデン政権も支持率の低下による痛手を受けることになります。
前年比で特に大きく価格が上昇しているのは、エネルギー価格で+34.6%。ガソリン価格は約49%の上昇とおよそ1年間で1.5倍の価格になっています。
食品は前年比11.9%上昇、電気代は12%上昇と日々の生活に大きく影響を与える物価の上昇が米国で起こっていることが良くわかります。
なぜ物価が上がると株価が下がる?
物価の上昇、つまりインフレは通常株価に対して良い影響を与えます。
モノの価格が上がるので、企業の売上は上がり、利益が多く残る。そして株価が上がる、という仕組みです。
しかし、今回は高インフレにより、株価が下がるという状況になってます。実際にCPIの発表後に米国の株価指数は、
ダウ平均株価:-2.73%
S&P500:-2.91%
NASADAQ:-3.52%
と大幅に下落しました。
今回は、インフレが止まらなければ米国の金融当局が強烈な利上げを行っていく、という予想があり株価の下落が起こっています。
モノの価格が上がり、金融当局が利上げと金融引き締めを行い、景気後退局面入りし、株価が下がる、というような連想が行われているということですね。
株価はまだまだ下がる可能性も
現時点(2022/6/10)で米国の代表的な株価指数であるS&P500の下落率は、年初来で-18.67%。
株価指数が、高値から-20%に到達すると下落相場に入る、というのは一般的に言われている話です。そこからすると、まだギリギリ下落相場に入らずに踏みとどまっている、というように捉えることもできますね。
新型コロナウイルスの感染拡大時の当局による金融緩和は株式市場を大きく膨らませました。利上げやQT(量的引き締め)は、膨らんだ株式市場を元のサイズに近いところまで縮ませることもあり得るでしょう。
とはいっても、今まで高くでなかなか株式を買えなかったという方にとっては、これからチャンスが到来する、という可能性が高いと言えます。コツコツと株式を買い始めるには良いタイミングです。一括でまとめて株式を買うというよりは、資金を分割して買い進めるような、そんなところに差し掛かっているのではないでしょうか。
一喜一憂せずに冷静に市場を観察していきましょう。