株式会社AWARDの渡邉です。
弊社でやっているセミナーの中で、『適切なリスクの取り方』についての話になりました。誰にでも当てはまる投資のベストな割合というのはありそうに感じる方もいるかもしれませんが、実際のところは人によってかなり適切なリスクは異なるものです。
今回はリスクの取り方について取り上げてみたいと思います。
投資の割合が少ない日本
金融や経済の理論で言えば、数ヵ月分の生活費以外をすべて投資にまわす、というのは間違った方法ではありません。投資、とくに株式や不動産であれば、過去の実績や資産の特性から、将来的に増えていく可能性が高い資産である、と言えるからです。
ただ、実際にはそのような割合で投資をできている方は日本ではほとんどいません。まず投資のリスクというのを正確に把握している方が少ないので、不安感から投資の割合が小さくなっている傾向があります。また、貯蓄信仰が強いため、そもそも投資ということについて考えたこともない、という方も多くいらっしゃいます。
しかし、投資の割合が少ないことは必ずしも100%間違っていることであるとは言えないのです。個々人にとっては、それが最適な資産の持ち方、という可能性もあるからです。
金銭的に困らないようにリスク取る
投資で失敗するケースに多いのが、過剰なリスクをとってしまうことです。過剰なリスク、というのは金銭的な面と感情的な面の2つがあるでしょう。
金銭的な面で言えば、近々大きな出費があるのがわかっているにも関わらず、短期的な価格変動が大きな商品に自分の資産の多くを投入してしまうこと、などが考えられます。
家のリフォームで1年後に300万円使う予定がある方が、そのために貯金している300万円を少しでも増やそうと株式に投資する、といったのは投資の方法としてはあまりお勧めできません。今年の株式相場であれば、年初に日本株に投資した場合、現時点で約-6%になっています。
ここでリフォームのために投資していたお金を取りくずことになれば、お金は282万円ほどに減ってしまうことになります。直近で使う予定のあるお金は、あまり株式などで運用するのには向いていないお金と言えるでしょう。
感情的な面も考慮する
また、金銭的な面だけでなく、感情的な面も考慮する必要があります。株式でも仮想通貨でも価格変動が大きな資産を持つと、人の感情は大きく揺さぶられ一喜一憂してしまうことがあります。
これにより、普段の仕事が手につかなくなったり、夜眠るときの睡眠が浅くなったり、といったことが起こることもあるでしょう。
投資は正しい方法でやれば、やらないよりやった方が将来のお金が殖える可能性は高いです。しかし、そこに至るまでの過程で自分が耐えられない、ということがあるのであれば、感情的な面から考えてリスクを取りすぎている、という場合もあると思われます。
このように金銭面、感情面からリスク許容度を知り、自分にとって適切な投資割合や投資方法を考えていくことが大切です。
また人は知らないことで、過剰なリスクを取ってしまうこともあります。投資や資産運用、経済に関する知識を深めることで、感情面でのリスク許容度は上げていくこともできるかと思います。本当に成功している投資家というのは、リスク許容度を広げて多くの割合のお金を市場にさらしています。
自分にあった投資割合を見つけて、成長しながらリスク許容度を拡大していけると良いのではないでしょうか。