外貨建て債券

資産運用

株式会社AWARDの渡邉です。

先日は個人向け国債についてのご紹介をさせていただきました。国が保証してくれている債券を購入して、銀行よりも大きな利子がつく点において魅力的な商品であると言えるでしょう。

ただ、現在の円安局面では外貨を保有したい、外貨で利子を得たい、というニーズもあるかと思います。そんなニーズにお応えできる外貨建ての債券について、本日はご紹介させていただきます。

外貨建ての債券の通貨


さて、外貨建ての債券は、どのような通貨で発行されているのでしょうか。

SBI証券の事例を見ますと、既発債(すでに発行されていて市場に出回っている債券)として、

米ドル、豪ドル、NZドル、カナダドル、南アランド、トルコリラ、メキシコペソ、中国人民元、ブラジルレアル、インドルピー、インドネシアルピア

と非常に多くの種類の通貨建ての債券が取り扱われていました。こうして並べてみると、新興国の通貨が多いですね。外貨建ての債券は為替の変動によってリターンが大きく変わるのと、通貨によっては円からの両替だけでも大きな手数料がかかりますから、注意が必要です。特に新興国の通貨は、為替の変動が激しく手数料も高い傾向があります。

UFJに預けるより、UFJの債券を買う?


外貨建ての既発債を見ると興味深いのが日本企業の外貨建ての債券も結構売られているところです。例えば日本の大手銀行グループである三菱UFJフィナンシャル・グループの米ドル建ての債券が、SBI証券で3種類取り扱われています(2022年4月17日時点)。

三菱UFJ銀行の最も満期までの年数が短い債券を見てみると、

【三菱UFJフィナンシャル・グループ 2028/3/2満期 米ドル建債券】

利回り(税引前):3.688%

販売単位:2,000米ドル以上、1,000米ドル単位

償還日:2028/03/02

となっています。つまり25万円くらいから米ドル建てで3.7%ほどの利子が貰える三菱UFJの債券を購入可能、ということですね。約6年満期です。

一方で三菱UFJ銀行で取り扱いがある外貨建て定期預金の1年物の金利を見ると、

【三菱UFJ銀行米ドル1年物定期預金】

年利(税引前)0.6%

となっています。ちなみにインターネットバンキングでは10万円以上からの預け入れが可能です。細かい条件の比較はしにくいところもありますが、あえて簡単に言えば、

◎三菱UFJフィナンシャルグループに米ドルを貸すと約6年間、1年あたり約3.7%の金利

◎三菱UFJ銀行に米ドルを預け入れると、1年あたり0.6%の金利

が貰えるということになります。比較すると、ネット証券で買える外貨建ての債券も魅力が分かりますよね。

為替・信用力・流動性に注意


さて、こうした外貨建ての債券ですが、気を付けないといけない点も勿論あります。それは為替・信用力・流動性です。

為替は為替の変動を受けるリスクがあること、信用力は債券の発行元がダメになれば元本が毀損することがあること、流動性は満期前の売却で損をすることがあることを指します。

債券を購入する際には、為替のリスクを許容できるか?満期まで安心して保有できる銘柄か?などをチェックするようにしましょう。

急激な円安が進む中では、こうした外貨建ての資産を活用することは大事かと思います。ぜひ参考にしてみてください。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

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