株式会社AWARDの渡邉です。
日本の大手仮想通貨(暗号資産)取引所であるコインチェックが、NASDAQへの上場を目指すというニュースが出ました。NASDAQといえば、コインベースなども上場している米国の新興市場となります。
本日はこちらのニュースについて解説していきたいと思います。
コインチェック上場へ
コインチェックは、口座数は150万口座超、預かり資産は38億ドル(約4500億円)を誇る日本の大手仮想通貨取引所となります。
2014年に仮想通貨交換業に参入していましたが、2018年1月に約580億円相当の仮想通貨の流出事件が発覚し、当時の仮想通貨と取引所に対する信用に大きなダメージを与えました。
その後、金融庁から2度にわたる業務改善命令を受け、2018年4月にマネックスグループの完全子会社になっています。上場会社の子会社になったことで、今では日本の中でも信頼度は高めの取引所になったと言えるかと思います。
NASDAQ上場はSPACを利用
さて、そんなコインチェックですが、SPAC(特別買収目的会社)との統合を通じて2022年中にNASDAQに上場する計画とのことです。これが実現すれば、日本の仮想通貨交換業者では初となります。
現在のコインチェックのユーザーはほとんどが日本人かと思いますが、なぜNASDAQへの上場を目指すことになったのでしょうか?マネックスグループの松本大社長が会見で語ったのは、規制や税制度、人や技術の面で海外に目を目を向けているということでした。日本の証券取引所では、仮想通貨取引所の上場審査を受け付けていないというのも、米国での上場を決断する要因となったようです。
SPACという言葉は聞き慣れないかと思いますが、米国の上場などでは最近良く活用されています。簡単に言えば、先に企業の買収を目的とした会社(SPAC)を上場審査を通して上場させ、その会社に上場させたい会社の株式を買い取らせる、という形での上場となります。上場を目指す会社にとっては審査が簡素化、短期化するので、使い勝手の良い制度です。
グループ関係は継続
コインチェックのNASDAQ上場が実現した場合でも、マネックスグループの傘下に入った状態というのは継続するそうです。これらのニュースが発表されたことを受け、マネックスグループの株価は、3月23日にストップ高となりました。
コインチェックが米国に上場すれば、コインチェックの日本国内でのサービスもグローバル化が望めるかもしれませんね。国内の取引所の中では、暗号資産を貸し付けるサービスやNFTの分野に率先して取り組んできた取引所ですから、上場が実現を楽しみにしたいと思います。上場した暁には、日本からコインチェック単独の株式をマネックスの口座を通じて購入する、なんてこともできるはずです。