株式会社AWARDの渡邉です。
『レバナス』という言葉を皆さんは聞いたことがありますか?
レバナスとは、NASDAQ100という株式の指数に対して、より大きな値動きになることを目指した投資信託のことを指します。
NASDAQ100自体が非常に優秀な指数なのですが、そこにレバレッジをかけてより大きなリスクを負うことで、より高いリターンを狙おうという投資信託であると言えます。値動きが大きく、過去の実績も良いため、ここ数年人気が高まってきました。
本日はその特徴と気を付けたいことについてご紹介していきます。
NASDAQ100とは
まずはNASDAQ100という指数についてご紹介します。
NASDAQというのは、ハイテク系の銘柄が多数上場する米国の株式市場です。新興企業が多く上場するとされていますが、Apple、Amazonといった今や世界を牽引する超大企業も、この市場に上場しています。
NASDAQ市場には約3000の銘柄が上場していますが、NASDAQ100はその中でも時価総額が大きな100社で構成された株式指数となります。ただし、金融株は除かれているため、ハイテク系の銘柄に比重が偏っているのが特徴となります。
NASDAQ100指数は、急成長してきたGAFAMも含んでおり、非常に成長性の高い指数でもあります。2022年3月までの過去10年間で、指数は5倍ほどになっています。10,000ドルを投資していたら、10年間で50,000ドルになっているイメージですね。
レバナスの特徴
そんなNASDAQ100指数にレバレッジをかけてより大きな値動きをするようにした商品がレバナスです。具体的には、
といった銘柄などが有名ですね。こちらの銘柄は、日々の基準価額の値動きがNASDAQ100指数の2倍程度になることを目指して運用されています。2018年10月19日に設定された投資信託ですが、2022年3月9日現在までに約2.7倍になっています。高い成長性から人気が高まってきた投資信託と言えるでしょう。
同期間のiFree日経225インデックス、つまり同じブランドの日経平均株価に連動する投資信託の成績を見ると+16%になっていますので、圧倒的にレバナスの成績は優秀であることが見て取れます。
レバナスの注意点
さて、そんなレバナスですが、注意したい点も当然あります。それは、
・リスクが大きい
・横ばいの相場に弱い
・信託報酬(手数料)が大きい
などです。
リスクが大きいのは通常の指数よりも大きな値動きをするように作られているので分かりやすいですよね。年初来からのiFreeレバレッジNASDAQ100の騰落率は2022年3月9日時点で-36.5%ほど。NASDAQ100指数自体は、年初来からの騰落率は-16.72%ですから、より大きな値動きを目指していることによる大きな変動は受け入れる必要があります。
また横ばいの相場に弱いのは、レバナスが『日々の値動き』に対して、大きな値動きをするように作られているからです。例えば、
-5%、+5%、-5%、+5%
といった値動きをNASDAQ100がした場合、レバナスでは、
-10%、+10%、-10%、+10%
と動くイメージになります。レバレッジがかかっていない場合に100を投資していたら、4日後の結果は99.5ですが、レバレッジがかかっている状態では98.0となります。日々の値動きが大きくなることによって上下のブレが大きくなり、横ばいの相場でもずるずると基準価格が下がりやすくなるのです。
また、レバレッジ型の投資信託の場合、信託報酬という毎年かかる手数料は通常のNASDAQ100に連動するタイプの投資信託の2倍以上かかる場合が多いようです。長期で保有する場合は、手数料にも注意が必要ですね。
このあたりのリスクも十分に把握した上で利用するのであれば、面白い投資商品なのは間違いないでしょう。ただし、思い通りの値動きをしないと予想以上の損失が出る可能性があることも知っておいてください。
例えば、中国のインターネット指数の2倍の値動きをするCWEBというレバレッジ型のETFは、過去1年間での騰落率はなんと-88.31%です。レバレッジ型の商品は高いリスクを負っていることを把握した上で、自分に合った活用方法を考えられると良いですね。