株式会社AWARDの渡邉です。
先日FIREセミナーを行わせていただきました。FIREとは、
「Financial Independence, Retire Early(経済的自立と早期リタイア)」
の頭文字をとったムーブメントです。まとまった資産を構築して運用益で生活ができる基盤を持ち、早期退職が可能な状態となる、という意味ですね。
そんなFIREの中でよく使われる4%ルールというものがあります。本日はこの4%ルールについてご紹介していきたいと思います。
4%ルールとは?
4%ルールとは、
『生活費を投資元本の4%以内に抑えると資産が目減りしない』
というルールのことになります。仮に毎年4%で手元の資産を運用することができれば、お金を目減りさせずにリタイア生活を満喫ができる、というルールでもあります。
具体的な事例として、仮に年間の生活費が300万円(月25万円)という方がいたとしましょう。先ほどの『生活費を投資元本の4%以内に抑えると資産が目減りしない』というルールから逆算すると、
300万円÷4%=7500万円
となり、7500万円の資産を築くとFIREは実現させることができる、ということですね。
FIREの成功率は?
このFIREに関する研究は米国で特に進んでおり、過去の株式や債券のデータを元にした検証も色々と行われています。例えば20年以上前から運営がされている
https://firecalc.com/
では、過去の米国の株式と債券でポートフォリオを構築した場合のFIREの成功割合をチェックすることが可能です。なお、ここでは退職後に30年間資金が尽きないことをFIREの成功と定義しています。
海外のサイトということで、通貨はドル建てとなりますが、先ほど出した年間300万円の消費で7500万円の資産の方の例と近いシミュレーションとして、年間30,000ドルの消費で750,000ドルの資産の事例でシミュレーションすると、FIREの成功率は、
95.0%
となりました。この条件はピッタリ4%ルールに当てはまるわけですが、かなり高い確率でFIREを成功に導いてくれるのが4%ルールである、というのは過去のデータを見る限り間違ってはいなそうです。
ちなみにここでの資産構成は初期設定では75%が米国株式、25%が米国債券といった内容になっています。
4%ルールの落とし穴
さて、4%ルールの落とし穴ですが、実はけっこうたくさんあります。例えば、
・計算に使われているのが税引前の利回り(実際の運用では税金がかかる)
・インフレ率が考慮されていない(インフレ率を含むとFIREの成功率は下がる)
・早期退職した場合の退職期間は30年以上になることが多い
・過去の運用成績は将来を保証してくれない
・4%ルールを守っても失敗するケースはある
などです。ちなみに退職期間に関しては、35歳で早期退職して、85歳までの生活を想定すると退職期間は50年間となりますが、先ほどのサイトでシミュレーションすると資金が尽きない確率は77.2%となりました。
4回に1回はFIREは失敗する、となると少し不安に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。4%ルールはあくまでも早期退職の目安として使うべきであって、必ずどんな状況においてもピッタリと当てはまるものではないことを知っておくと良いでしょう。