株式会社AWARDの渡邉です。
米国全体に投資をする際に、真っ先に候補にあがる株価指数、S&P500。こちらは米国を代表する大型株式を500社集めた指数となっていますが、どのような採用基準になっているかをご存じでしょうか。
そこには、S&P500という指数の強さの秘密が大いに隠されています。その秘密について今回はご紹介します。
S&P500の採用基準は?
S&P500の構成銘柄として採用されるには、以下の条件を満たす必要があります。
・本社が米国にあること(米国企業であること)
・時価総額が131億ドル(約1兆5100億円)以上であること
・4四半期連続で黒字であること
・浮動株比率が50%以上であること
つまり1年間を通して黒字化している巨大な企業でないと、S&P500に採用されることはない、ということですね。テクノロジー株などで利益を出せていないにも関わらず時価総額が大きくなった企業などは、S&P500には採用されない、ということになります。
企業の価値は利益や資産額で決まりますから、黒字を出していける体質というのは非常に大切です。
時価総額基準を満たせる日本企業
さて、ここでS&P500に採用されるための時価総額の基準である約1兆5100億円というのを満たせる日本企業は一体どのくらいあるのかを見てみましょう。
2022年2月8日時点の株価で見てみると、日本企業では105社がこの基準を満たしていました。ちなみに101~105位にランクインしたのは、
101位 住友金属鉱山
102位 楽天グループ
103位 SUBARU
104位 小野薬品工業
105位 旭化成
です。日本でも名の知れた大企業が並びますね。つまりこのくらいの規模感・安定感を有していないと、S&P500の採用基準に達することはできない、ということになります。
ちなみに日米市場の時価総額1位の企業を比べると、
米国の1位 アップル 約2.85兆ドル(約329兆円)
日本の1位 トヨタ自動車 約37兆5000億円
と時価総額で8.8倍ほどの差があります。トヨタ自動車は日本が誇る世界で活躍する企業ですが、米国企業のNo.1であるアップルとはかなり時価総額で差があります。
日本の大型企業に投資するなら?
さて、こうして見るとS&P500がなぜ強いかがわかる気がします。
構造的に強い大企業が採用され、銘柄の入替も行われていくから、強い指数になっていると言えるのではないでしょうか。
なお、日本でも大企業を集めた指数というのは存在しており、
・TOPIX CORE 30
・TOPIX 100
などは、S&P500の採用基準を満たすような大きな時価総額の日本企業を集めた指数となっています。
TOPIX CORE 30には、
・NEXT FUNDS TOPIX Core 30連動型上場投信(1311)
TOPIX100には、
・SBI TOPIX100・インデックスファンド〈DC年金〉
などで投資ができます。TOPIX100に連動するファンドは確定拠出年金内でしか投資ができないため、日本でS&P500の採用基準を満たすような大型株に投資をするとなると、銘柄コード1311のETFなどが選択肢になりそうです。
昨年は日経平均株価や、TOPIXと比べると、かなり良い成績を出せていたようですよ。指数を活用した投資の参考にしていただければと思います。