FOMCと米ドル高

資産運用

株式会社AWARDの渡邉です。

世界の経済の流れを大きく左右する米国の金融政策。

25、26日に渡って行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、3月の利上げが濃厚になりました。利上げ開始後には資産の売却が開始されることも示唆されましたので、その内容についてチェックしていきましょう。

3月には資産購入は終了と利上げか


米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、FOMC終了後にオンラインでの会見を開き、

・3月に政策金利を引き上げる準備が整っていること

・毎会合で利上げを決定する可能性もあること

を表明しました。

よほどの景気の減速や世界経済へマイナスの影響を与える出来事がなければ、3月に利上げが行われることはかなり濃厚になったと言えるでしょう。また資産購入の縮小であるテーパリングは、このままいけば予定通り3月初めに終了するとのことです。

利上げの影響は?


利上げが行われれば、2018年以来となります。市場関係者の多くは、3月に0.25%の利上げが行われると見ており、年内にさらに3回利上げがあると予想しています。

現在の米国の政策金利に当たるFF金利は、0-0.25%の範囲に誘導されるものとされていますが、4回の利上げが行われれば、1.00-1.25%となります。コロナが世界中に広まる前の米国のFF金利が1.75-2.00%でしたから、順調に利上げが行われれば、金利水準は来年にでもコロナ前の水準へと調整される可能性もあるでしょう。

こうした利上げの影響は株式にも為替にも大きく表れます。今回のFOMC後の声明発表では、ドル円の為替が大きく動きました。

1月26日の日本時間7:00頃には、1ドル=113.8円ほどでしたが、FOMCを終えた1月27日7:00時点では114.6円ほどまで円安が進んでいます。

物価の影響を抑えられるか


さて、なぜ利上げが急がれているかというと、物価の上昇を抑え込みたいという意図があるからとなります。昨年の10、11、12月の対前年同月比の米国の物価の上昇率は、

6.2%、6.8%、7.0%

となっており、米国では強いインフレが起きています。FRBの物価上昇率の目標は平均で2.0%ですから、FRBは金融の引き締めを行うことで現在の物価の上昇を抑え込むために注力する意向ということになります。

金利上昇については少しずつ市場に織り込まれてきており、株価等も影響を受けてきておりますが、状況は常に変わっています。ウクライナ情勢の緊迫化などは、コロナウイルス以上に今後の世界経済に影響を及ぼしてくる可能性もあります。注意深く観察していきましょう。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

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