株式会社AWARDの渡邉です。
年初から世界中で資産価格が急落しています。米国の利上げの影響を見込んで、資産を整理する機関投資家が増えているのでしょう。
様々な資産について年初からの騰落率をチェックしてみたいと思います。
日米の株価は?
まず日米の代表的な株価指数であるTOPIXとS&P500の騰落率を見てましょう。年初からの騰落率は、
TOPIX:-5.08%
S&P500:-8.31%
となっています。昨年1年間は日米ともに株価は上昇し、投資家にとっては良い年でしたが、ここに来て急速に巻き戻しが始まっている感があります。
TOPIXの方が下落の幅が小さいのは、業績に対して株価が上がり過ぎていなかったというのがありそうです。米国株に対する注目がここ数年集まってきていましたが、注目を集めていた分だけ割高になっており、下落のスピードも速いということはあるかもしれません。
新興市場により強い影響
そして、利上げの影響をより強く受けるのは、新興市場です。グロース株と言われる将来の利益に期待されている株式は利上げの影響で将来の利益の価値が下がるため、より売られやすくなります。
日米の新興市場であるマザーズとNASDAQの年初来騰落率は、
東証マザーズ指数:-17.73%
NASDAQ総合指数:-13.04%
となっています。マザーズ指数の下落率が高いのは、よりグロース株の割合が高い(利益がなくても株価がついている企業が多い)からと言えそうです。米国のNASDAQ総合指数は、実はGAFAMの割合も高いので、マザーズ指数と比べると下落幅は抑えられている、といったところでしょうか。
しかし、それでも2022年が始まってからの3週間ほどで10~20%ほどの株価の下落というのは、多くの投資家に今年の厳しさを実感させているのではないかと思います。
仮想通貨はさらに
さて、こうした中でビットコインなどはさらに大きな下落を見せています。仮想通貨(暗号資産)の業界は、NFT、メタバース、play to earnなどの分野で現在非常に盛り上がりを見せていますが、それでも資産価値の裏付けは脆弱です。
ビットコインの現在の年初来騰落率を見ると、
ビットコイン:-23.77%
となっています。下落率で見ると、ここで挙げている資産の中では、マザーズ指数を押さえてナンバーワンですね。
仮想通貨の上昇も、世界各国の金融緩和で行き場のないお金が集まったことによる影響は大きかったため、テーパリングや利上げといった金融引き締めが行われれば、価格が下落しやすくなるのは当然のことと言えます。
こうして見ると、リスク資産は年初から厳しい環境にあるのがわかってくるのではないでしょうか。米国の金融政策は前倒しで正常化に向けて進んでいく可能性が高くなっています。利上げはスタートするときが最も資産価格に影響を与えやすいため、特に利上げ開始までのタイミングでは慎重な投資がお勧めです。
また、長期でインデックス投資をすることを決めて始めている方は、こうした下落で狼狽して売却することだけは避けていただければと思います。長期投資を行う中ではこうした資産価格の下落はつきものです。株価は最終的には上昇していく仕組みになっていますので、あまり気にせずに淡々と買いましていけば良いのではないでしょうか。ぜひ参考にしていただければと思います。