株式会社AWARDの渡邉です。
1月5~6日にかけて暗号資産(仮想通貨)の急落が起こりました。元々変動が大きい資産ではありますが、なぜ急落が起きたのか要因を見ていきましょう。
昨年の価格は?
さて、急落の要因を見る前に、そもそもビットコインの価格がここ数年どういう位置にあったのか、というのを見てみたいと思います。2020年、2021年、2022年の年初の価格を見てみると、
2020年:約80万円
2021年:約330万円
2022年:約550万円
でした。今回の急落では約540万円から約500万円に1日のうちに動いた形でしたので、急落したといっても2020年、2021年の年初の価格ははるかに上回る水準にあるということです。
これだけ価格変動がある資産ですから、今回程度の下落であまり狼狽する必要はないかもしれませんね。
急落の直接的な要因
さて、今回の下落の直接的な要因は、
1.FOMC(連邦公開市場委員会)の議事録にて早期利上げ・資産縮小に前向きなことがわかった
2.カザフスタンでインターネットが遮断されたことで、ビットコインのハッシュレートが一時13.4%低下した
という2つが重なったことが挙げられるようです。
FOMCの議事録公開による金融引き締めの前倒しの可能性は、高騰した資産価格を急落させる効果がありました。こちらは米国の新興市場であるNASDAQや、日本の新興市場であるマザーズなどにも大きな影響を与え、株価も下落する要因となりました。
もう一つのカザフスタンのインターネット遮断は暗号資産ならではの要因です。ビットコインのハッシュレートとは、ビットコインをマイニング(採掘)する際の採掘速度を指す言葉であり、マイニング時に必要な演算速度を表します。
こちらが低下するとビットコインの根幹をなすネットワークが上手く働かなくなってしまうのですが、ビットコインのマイニングのおよそ18%を占めるカザフスタンで、ガス価格高騰による政情不安とともにデモが起こりりました。これに対応する形で政府がインターネットを遮断したため、カザフスタンで行われているマイニングの多くがストップしてしまったわけです。
この2つが今回の下落の直接的な要因と考えられます。
下値の目途は?
ビットコインの下値の目途を考える上では昨年下落したときの下値を押さえておくと良いでしょう。
年初と7月頃の下値を見ると330~350万円ほどとなっており、ドル建てで見るとどちらも3万ドルほどになります。現在の4万ドル台前半というのも、昨年強く意識していた価格になりますので、ここを明確に抜けて下落した際には、ある程度の下落を覚悟しておいた方が良いかもしれません。
ビットコインは世界中で取引されていますので、ドル建てで考えて日本円に換算すると、4万ドルが約460万円、3万ドルが約350万円となりますので、このあたりを意識してみてはいかがでしょうか。逆に高くてなかなか暗号資産を買えていなかったという方は、この価格辺りで少し買ってみても良いかもしれませんね。
ぜひ参考にしてみてください。