株式会社AWARDの渡邉です。
昨日、本年の大納会(1年間の取引の最終日に行われる催事)も無事に開催され、1年間の株式市場の日程がすべて終わりました。
2021年の株式市場は一体どのような市場だったのでしょうか。まずは日本株から振り返ってみましょう。
日本株のリターンは?
日本株の代表的な指数であるTOPIXと日経平均株価の1年を通してのリターンをまずチェックしてみると、
TOPIX:+11.02%
日経平均株価:+5.63%
となりました。TOPIXは東証一部に上場している株式すべてを含んだ指数、日経平均株価は日経新聞社が選定した225社の株式の指数となりますが、TOPIXがだいぶ上回ったことになります。
TOPIXで最も大きな割合を占めるのはトヨタ自動車、日経平均株価で最も大きな割合を占めるのはユニクロやGUを展開するファーストリテイリングですが、それぞれの年初からの騰落率を見ると、
トヨタ自動車:+32.79%
ファーストリテイリング:-28.27%
となっていました。各指数で最も大きなウエイトを占める銘柄がこれだけの差なのですから、指数にも影響はありますよね。
また、今年は4月から日銀のETFの買入銘柄より日経平均株価に連動するETFが外されました。TOPIXは引き続き日銀のETF買入の対象となっていますので、そのあたりもこの差に影響しているかもしれません。
ドル円の為替
また、今年はドル円の為替相場がかなり円安方向に振れた1年間でした。年初から12月24日までのドル円の為替レートは、
対米ドル:約11%円安
と円安方向に進んでいます。今年のTOPIXの騰落率が+11.02%だったことを考えると、TOPIXを買っているのと、ただドルを保有しているので円ベースで見たリターンは変わらなかったことになります。
今年のドルは米国で金融引き締めが始まったことなどもあり、非常に強かったのですが、それにしても世界から見ると円安が進んだ一年だったと言えます。
対中国人民元:約14%円安
対英ポンド:約8%円安
対スイスフラン:約7%円安
対ユーロ:約3%円安
と日本円は主要通貨に対して軒並み円安方向に動いています。日本円だけをただ保有していた人は、海外の方々に比べて貧しくなってしまった、と捉えることもできるでしょう。来年も強い米ドルを中心として相場は展開されていくと思いますが、日本円だけを持ち続けるのは避けた方が良いかもしれませんね。
米国株は?
さて、こうした円安ドル高が進んだ中でも米国株式は絶好調でした。主要な株価指数の年初来のリターンを見てみると、
ダウ平均株価:+20.43%
S&P500:+29.13%
NASDAQ総合指数:+23.96%
となっています。日本円ベースで考えると、これにドル高が進んだことのリターンが上乗せされるので、単純にS&P500を保有していた方は円ベースで約40%のリターンを得ることができたということになります。
米国の株価はかなり高い水準にはありますが、来年も世界の市場を牽引していく存在なのは間違いありません。世界全体の株式市場から見ても半分以上の時価総額占めているので、来年以降の投資でも米国の情勢には着目すると良いでしょう。
1年間を通して、
・新型コロナウイルス
・中国の不動産バブル崩壊の危機
・米国のテーパリング
など波乱の要因は色々とありましたが、全体としては相場環境は良好でした。このコラムを見ている方の資産も年初に比べて増えているようでしたら嬉しく思います。
本年のコラムはこちらで最後となりますが、今年も1年間に渡ってのご購読ありがとうございました。2022年も引き続き株式会社AWARDをよろしくお願いいたします。