株式会社AWARDの渡邉です。
11月5日の金曜日に米国の10月雇用統計が発表されました。米国の景気の行く先を占う雇用統計ですが、いったいどのような内容だったのでしょうか。
雇用者数は力強い回復
10月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月より53万1000人増加しました。こちらは予想されていた以上の増加幅でした。
夏には新型コロナウイルス感染者数の急拡大があり、経済の勢いが衰えている場面もありましたが、感染も落ち着いたため経済活動が勢いを取り戻したと見られます。
なお先月は発表されていた9月の雇用者数の増加幅も、当初発表の19万4000人から31万2000人へと上方修正されています。しかし、これでもまだ雇用者数を2020年2月と比較すると420万人少なくなっています。年初からの月ごとの伸びの平均は58万2000人となっているため、現在のペースが続くと来年中には雇用者数がコロナ前の水準に届くことになるでしょう。
失業率と賃金
また10月の失業率は4.6%と、9月の4.8%から改善しています。ちなみにコロナ前の2020年2月の失業率は3.5%でした。企業の求人は強いようですが、引き続き数百万人が失業中です。
労働参加率は61.6%と前月から横ばいです。労働参加率とは、働くことが可能な人のうち、実際に働いているか、職探しをしているかで、労働市場に参加している人の割合です。つまり、働くことが可能だが、労働市場に出ていない方が多い状態が続いています。ちなみに2020年2月の労働参加率は63.4%だったため、こちらは2%程度低下した状態が続いています。
こうした状況で、一部の業種では人手不足も起こっているようです。そのため時間当たり平均賃金は上昇しており、前月比で+0.4%、前年同月比で+4.9%となっています。
1年前と比較した株式市場
さて、こうして順調に回復してきている米国経済ですが、株価もなかなかの勢いで伸びています。
1年前の2020年11月9日のS&P500の値を見てみると、
3,550.50
現在の2021年11月5日のS&P500の値を見てみると、
4,697.53
となっています。過去1年間で+1,147.03 (
米国では現在かなりの勢いでインフレが進んでいますから、現金だけでお金を持っていると非常に速いスピードで価値が失われていきます。多くの方がそういったことも意識しているから株式市場にお金を置いているのでしょうね。
世界を牽引する米国の経済状況には引き続き注意していきましょう。