株式会社AWARDの渡邉です。
ディズニーリゾートと言えば開園から成長し続けている日本で最も人気のあるテーマパークの一つです。そんなディズニーリゾートのチケットの料金体系が、2021年10月に変更となることが公表されました。
チケットの値段の推移
ディズニーチケットで最も良く売れているのがテーマパーク内の乗り物が一日乗り放題になるワンデーパスポートかと思いますが、こちらの過去の値段推移を見てみたいと思います。
ここ最近では2020年の4月に値上げが行われており、2021年3月より変動価格制が導入され、休日等の料金が8,700円になりました。そして、2021年10月からは変動価格制の幅が広がり7,900~9,400円という料金体系になります。
《ワンデーパスポートの値段》
1983年:3,900円
1987年:4,200円 (+300円)
1989年:4,400円 (+200円)
1992年:4,800円 (+400円)
1996年:5,100円 (+300円)
1997年:5,200円 (+100円)
2001年:5,500円 (+300円)
2006年:5,800円 (+300円)
2011年:6,200円 (+400円)
2014年:6,400円 (+200円)
2015年:6,900円 (+500円)
2016年:7,400円 (+500円)
2019年:7,500円 (+100円)
2020年:8,200円(+700円)
2021年3月:8,200円~8,700円
2021年10月:7,900円~9,400円
こうして見ると、日本では開園以来2倍以上の値段になっていることがわかります。
他の物価と比べると
さて、そんなディズニーチケットですが、他の物価の上昇と比べると値段の上がり方は早いのでしょうか。そんなことを調べるために、消費者物価指数のデータを見てみました。
すると、2015年の物価を100とした場合のディズニーランドが開業した1983年の物価と2021年の物価は、
1983年 81.8
2021年 101.94
となっていました。つまり、この間に世の中の物価全体としては24.6%ほど上昇したということになります。
ディズニーチケットは1983年と2021年の一番安い価格で比べても、3,900円から7,900円へと102.6%の値上げとなっていますので、世の中の物価上昇よりもかなり早いペースで値上げをしてきたことがわかります。
日本では長期に渡る経済低迷とデフレで物価が上がりにくい状態が長らく続いていますが、ディズニーチケットは健全に値上げができているとも言えるでしょう。
入場制限の影響
ここ2年ほどのディズニーリゾートは、新型コロナウイルスによって経営面で大きなダメ―ジを受けています。例えば四季報で営業利益をチェックしてみると、
2019年3月期 1293億円
2020年3月期 969億円
2021年3月期 -460億円
2022年3月期 -290億円(予想)
2023年3月期 200億円(予想)
となっています。
2021年3月期の決算では営業利益が-460億円と巨額の赤字となりました。休園、入場制限などの影響が大きく出たことが見て取れます。
新型コロナウイルスの蔓延前は、1日あたり8~9万人の入場があったディズニーリゾートですが、現在は1日あたり1~2万人ほどの入場制限を続けているような状況です。おそらく値上げをしたとしても、過去のような売上を出すのは難しいでしょう。
今回の価格改定では、7900円、8400円、8900円、9400円の4段階の設定がされていますが、これはテストであって、今後も時期による価格設定の変更や、全体としての値上げは続けていくのではないでしょうか。
ディズニーリゾートの生き残りをかけた施策の一つだと思いますので、今後も決算の状況などはチェックしていきたいと思います。