株式会社AWARDの渡邉です。
海外の有名大学では寄付などで貯まったお金を運用する巨大な基金を持っています。例えば有名なのがハーバード大学です。本日はハーバード大学の基金の資産運用についてご紹介させていただきます。
5兆円近い規模の基金
エンダウメント(endowment)とは、英語で「寄付」を意味する言葉ですが、金融業界では「大学基金」のことを指すようになりました。この基金を運用して生み出されたお金は、大学を安定して運営するための資金として利用されています。
日本でもエンダウメントはあるのですが、2019年度のデータで見ると、
慶應大学:783億円
早稲田大学:294億円
東京大学:149億円
といった規模となっています。これに対して米国の大学の例を見てみると、
ハーバード大学:4兆5023億円
イェール大学:3兆3346億円
スタンフォード大学:3兆470億円
と桁違いの額となっています。この中でもハーバード大学のエンダウメントは非常に優れた運用を行っていることで知られており、長期に渡り安定したリターンを生み出し続けています。
ハーバードの資産構成は?
それでは最新のハーバード大学のエンダウメントの資産構成を見てみましょう。
Financial Report FISCAL YEAR 2020より抜粋すると、
株式:18.9%
PE:23.0%
ヘッジファンド:36.4%
不動産:7.1%
コモディティ:2.6%
債券;5.1%
その他:1.3%
キャッシュ:5.6%
といった割合になっています。伝統的な資産と言われる株式や債券の割合が、合わせても4分の1に満たないのが特徴です。PEというのはプライベート・エクイティの略で、未上場株への投資を指しています。ヘッジファンドなどオルタナティブな資産への投資も3分の1以上を占めているのが興味深いところです。
S&P500を超える成績
さて、こうしたハーバード大学のエンダウメントですが、過去の運用成績は素晴らしいものがあります。2000年に入ってからの21年間で負けらしい負けは2009年の-27.3%のみで、次に大きな負けは2001年の-2.7%。安定感が魅力です。
ちなみに1974年の基金設立以来の平均リターンは年間約11%。この数字は米国の有名な株価指数であるS&P500も凌駕しています。ちなみに1000ドルを1974年に投資していたら2020年には129,594ドルになっていたとのことです。約130倍ですね。安定しつつもこのような高いリターンを生み出せているのを見ると、世界最高峰の運用の一つといっても過言ではないでしょう。
個人でも大きな資産を運用する場合には、ヘッジファンドなどを組み合わせてハーバード大学に近い運用を行うことが可能です。株式だけだと資産の変動が大きくなるので、ぜひこうした事例も参考にしてみてはいかがでしょうか。