株式会社AWARDの渡邉です。
株価の割高、割安を示す値としてPER、PBRという代表的な指標があります。これらの指標を用いることで、世界の株式を一律に並べて比較することが可能になります。
本日はmyINDEXに出ている世界のPER、PBRのデータから、現在の株価が割高なのか、割安なのかについてチェックしてみましょう。
PERとPBRの目安は?
PERというのは1株当たりの利益に対して何倍の株価がついているか?という目安になりますが、日本株の場合は13~15倍程度が一つの目安だとされています。
またPBRについては1株あたりの純資産に対して何倍の株価がついているか、という指標となります。こちらは1~1.5倍程度が日本株の場合の水準のようです。
ただし、これらの目安は国によってかなり異なります。これから著しい成長が期待される国では、PERやPBRは高い水準が許容される傾向が見られます。
世界の株式のPER,PBR
それでは、ここで2021年5月末時点での世界のPER・PBRを見ていきましょう。毎月の株価と、直前期の利益(現地通貨ベース)をもとに算出されているデータとなります。
《実績PER》
全世界 29.8倍
先進国 31.9倍
エマージング国 19.9倍
《実績PBR》
全世界 2.9倍
先進国 3.1倍
エマージング国 2.1倍
となっています。PERは前期の利益を元に算出されているので、かなり高い値になっていますね。前期はコロナの影響を大きく受けている企業が多く、利益が小さくなったことでPERが高くなっていると言えるでしょう。
こうして利益が大きく変動しているときには、PBRの方が割高、割安の指標としては使いやすいかもしれません。ちなみに全世界の実績PBRが2.9倍というのはかなり高い水準です。リーマンショックが起こる前の2008年5月の実績PBRが2.3倍ですから、そのときと比較しても0.6倍ほど高くなっています。
利益や資産に対する株価は割高
こうした数字を見て過去13年ほどのPERやPBRと比較すると、現在の株価はかなり割高だと言えます。こうした株価水準が適正だと言われるようになるためには、企業がもっと利益を出し、資産を積み上げていく必要があるでしょう。
コロナショックから一貫して上昇相場となっている世界の株式市場ですが、ちょっとしたきっかけで大きく崩れる可能性ははらんでいる状態なのではと感じます。リスクがどの程度あるかを把握した上で投資は進めていきたいですね。