暗号資産注目トピック
2021.6.11

株式会社AWARDの渡邉です。

ここ1週間ほどの間に、暗号資産(仮想通貨)に関する面白いトピックが3つほど出てきました。変化の激しい暗号資産業界ですから、重要なトピックは押さえておきましょう!

マイクロストラテジー


ビットコインを購入している米国の上場企業というと電気自動車のテスラが有名ですが、実はその先駆けになったのはデータ分析ソフトウエアのマイクロストラテジーです。

そんなマイクロストラテジーですが、現在世界で最もビットコインを保有している上場企業としても知られています。6月頭時点で、約92,079BTC。その額、現在の価値にして3,500億円以上になります。

ちなみにこれだけの量を保有しているわけですから、ビットコインの暴落には非常に弱い財務体質になっており、6月30日までの四半期には2億8450万ドルの減損損失発生見込みという届け出も出していたりします。

借金してビットコイン!


しかし、マイクロストラテジーはビットコインの将来性に揺るぎない自信があるようで、今月に入ってからビットコインをさらに購入するための上位担保付債券を発行し、4億ドルを調達することを発表しました。上位担保付債券というのは、マイクロストラテジーが借りたお金を返せない、という状態になったときに優先してお金が返してもらえる債券と思えば良いでしょう。

つまり、マイクロストラテジーは借金をしてビットコインを買い増す決断をした、ということですね。正直、個人の方の資産運用では、お金を借りてビットコインを購入する、というのは全くお勧めしないのですが、これだけビットコインの価格が乱高下する中で、ブレない姿勢はすごいなと感じたりもします。

ビットコインの価格が今から下がっていったら、とんでもない額の損失を抱えることになるでしょう。本業はデータ分析ソフトウエアなわけですが、市場の投資家からはビットコイン保有企業、というように今は見られていると思います。

ビットコインが法定通貨に?


また、2021年6月8日にビットコインがエルサルバドルの法定通貨になる法案が通ったのも、大きなトピックです。エルサルバドルは中央アメリカ、つまりメキシコ等に近い国になります。人口650万人ほどの国になりますが、議会にてビットコインを国の法定通貨とする法案が可決されたとのことです。

エルサルバドルの法定通貨は、これで米ドルとビットコインということになりました。自国で通貨を発行する力を持たない国は、他国の安定している通貨を法定通貨にすることは良くあります。エルサルバドルは国民の約70%が銀行口座やクレジットカードを持たず、手持ち現金で経済が回っているのが現状です。

それに加えて海外からの送金がGDPの多くの部分を占めているなどの条件から、ビットコインを法定通貨にするというのが合理的だと国として判断したということになります。ちなみに地熱を利用した発電によるマインイングにも今後取り組んでいくようです。

非常にトリッキーな話に聞こえますが、このニュースを受けてメキシコやトンガの政治家もビットコインの指示を表明しています。ビットコインなどの中央集権でない資産を法定通貨として利用することが都合の良い国は他にも存在するのでしょう。トンガなどは銀行口座を持たない国民が多い、海外からの送金GDPの多くを占めるなどの条件がエルサルバドルに良く似ており、エルサルバドルの後を追う可能性は十分にあると思います。

他にも銀行規制の話も


なお、ビットコインに関しては良いニュースばかりというわけではなく、金融機関の国際ルールを協議するバーゼル銀行監督委員会が2021年6月10日、銀行によるビットコインなどの暗号資産の保有を規制する案を公表しています。

バーゼル銀行監督委員会は、銀行の資本規制などを定める機関なのですが、ここの規制で銀行は財務状況にいつも気を配っています。とはいえ、ビットコインはまだまだ銀行の資本で買われて良いような値動きの資産ではないと思いますから、この規制は妥当だと感じます。

現状の案では、同じ暗号資産でも、法定通貨などを価値の裏付けとして発行されているステーブルコインには新しいルールは適用されないことや、中央銀行が発行するデジタル通貨を対象外とすることも盛り込まれています。このあたりからも、今後の銀行の暗号通貨に対する方向性が読み取れるようにも思いますね。

暗号資産は本当にニュースに事欠きません。先月の暴落はありましたが、まだまだ様々な可能性に溢れた資産であるのは間違いなさそうです。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

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