FRBが社債売却へ
2021.6.4

株式会社AWARDの渡邉です。

FRB(米連邦準備制度理事会)が、新型コロナの感染拡大による市場の動揺を抑えるために買い付けていた社債を売却していくことを2021年6月2日に発表しました。

米国の金融市場が正常化していく過程の一つで重要なニュースですので取り上げさせていただきます。

大きな役割を果たした社債購入


FRBが購入していたのは既発社債で、新型コロナウイルスによる市場の動揺を抑えるため市場に流動性を提供する目的で実施されていました。こちらのプログラムは、「セカンダリーマーケット・コーポレートクレジットファシリティー(SMCCF)」というものでしたが、2020年3月23日に発表されています。

当時の株式の値動きを振り返ると、2020年3月19日~23日にかけてが新型コロナウイルスの感染拡大による市場の動揺がピークに達していた時期であり、S&P500や日経平均株価は28~35%程度高値から下げていました。

そんな凄まじい動揺が市場に起こっているときに、この社債購入のプログラムは発表されており、そこを起点として市場が回復に向かったことが振り返るとわかります。たった一年ほどで世界中の株価は急回復してきたわけですが、その大きな助けになったプログラムだったと言えるでしょう。

金融引き締めの合図?


今回のプログラム終了にあたってFRBの報道官らが出した声明によると、

・ポートフォリオの売却は段階的かつ秩序立ったものとする

・市場機能への悪影響が及ぶ可能性を最小限に抑える

・金融政策とは無関係で、政策についてのシグナルでもない

とのことです。

現在金融の引き締め(テーパリング)を検討しているのではないか、と市場関係者から動向を注視されているFRB。その中でSMCCFで購入した社債等の売却が発表されたことは、なんらかの合図なのではと考える方は多いでしょう。FRBの発表としては政策に関わるシグナルではないとされていますが、金融市場の正常化を目指している姿勢の一端であるとは捉えておいて良いでしょう。

金融政策の流れは重要


SMCCFによる社債購入自体はすでに昨年末に終わっていたこともあり、今回の発表が市場に与える影響は大きくはなさそうです。しかし、FRBは他にも、月1200億ドルの資産購入プログラムなどを行っています。こうした大規模な金融緩和が少しずつ終了し、金融が引き締められていくことになれば、株式市場なども今までのような伸びを期待するのは難しくなってくるでしょう。

金融緩和が終われば株式市場は業績が重視されるように変わっていきます。米国の金融政策の流れを見逃さないようにしていきましょう。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

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