劣後債とは?
2021.5.24

株式会社AWARDの渡邉です。

ソフトバンクグループが2年ぶりに個人投資家向けに社債の募集をするとのことです。利率は当初5年間で2.45~3.05%と高めに設定されています。ソフトバンクグループの社債ですと、過去には1%台で社債を発行することが多かったので、この利率は利率は高めと言えるでしょう。

しかし、高めの裏には理由があり、今回発行される社債は『劣後債』となっています。劣後債とはどういった債券なのかについて本日はご紹介させていただきます。

劣後債の劣後とは?


今回ソフトバンクグループが発行する社債には劣後特約というものがついています。これは、破産や会社更生手続きの開始など劣後特約で定められた「劣後事由」が発生すると、普通社債などの一般債務の支払いに比べ劣後(劣る)債券に付けられる特約のことです。 この特約が付いた債券を劣後債といいます。

他の債券などと比べるといざというときの支払いが後回しにされてしまうような社債ということですね。ソフトバンクグループは2021年3月期に過去最大の利益を叩きだした会社であり、そうそう破産や会社更生手続きの対象になるようなことはないでしょうが、それでも通常の社債よりも大きなリスクを負うことになるのは間違いないと言えます。その対価としての高い利率なのですね。

発行体にとってのメリット


この劣後債、発行体にとってもメリットがあります。それは、劣後債は返済が後回しにできる性質があることから、会社にとっては資本制の高い資金として扱うことができます。つまり、借金ではなく一定部分に関しては自己資金としてみなすことが認められるということですね。

今回ソフトバンクグループが発行する債券は、格付機関(株式会社日本格付研究所(JCR)及びS&Pグローバル・レーティング・ジャパン株式会社)から、資本性の認定(資金調達額の50%)を受けているとのことです。

ただし、この劣後債は2026年6月21日以降は繰上償還可能になっており、それ以降の資本性は50%から0%に低下することが見込まれているそうです。

個人投資家の投資対象になる?


さて、証券会社で積極的に販売が行われていると思われるこの劣後債ですが、個人投資家にとっては購入の価値はあるのでしょうか。利回りを考えると比較的高めなので良い投資対象であると考える方もいらっしゃるでしょう。

ただし、個人的には一社のリスクを多く負うことになる劣後債の購入は上級者向けな投資だな、と感じます。個人が購入できる債券というのは、機関投資家、つまり金融機関などが投資対象としてないため個人のところにまわってくるという面もあります。

今回のソフトバンクグループの劣後債の発行額は4050億円とのことですから、証券会社などからお誘いを受ける方も多いかと思います。リスクとリターンの関係に気を付けつつ慎重に投資すべきかどうかは考えるようにしましょう。


執筆者:渡邉亮

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