仮想通貨送金に報告義務
2021.5.21

株式会社AWARDの渡邉です。

仮想通貨の暴落から1日が経ち、相場はやや落ち着いてきました。一時30000ドル前後まで落ち込んだBTC(ビットコイン)の価格は現在40000ドル前後で推移しています。

さて、そんな乱高下が観測された仮想通貨市場ですが、米国で仮想通貨送金に対して報告義務を課す方針が発表されました。本日はこのニュースに着目してみましょう。

政府と仮想通貨


BTCを始めとする仮想通貨の中には、管理者を持たないものが多くあります。それらは国が発行して価値を保証している米ドルや日本円といった通貨とは異なる性質を持つものです。

『管理者がいない』というのは仮想通貨の価値を支え人気を高めた一つの要因ですが、政府側としては仮想通貨をコントロールしにくい理由にもなります。特に仮想通貨の送金には毎回変更できるアドレスなどが利用され、誰から誰への送金が行われているのかを把握するのは非常に難しくなっています。

そのためBTCをはじめとした仮想通貨は脱税や犯罪収益の移転に使われることがあるという負の側面を持っていました。管理されない資産であるがゆえのこうした性質は、昔から国や政府にとっては気になるものだったと言えるでしょう。

米国で送金報告の義務付けの方針


そんな中、米財務省は昨日20日に、1万ドル相当以上の仮想通貨の送金を内国歳入庁(IRS)に報告することを義務付ける方針を発表しました。

この方針が立てられた理由はかなりストレートで、

・仮想通貨の取引が脱税などを助長している

からとされています。

銀行間送金であれば、金融機関と連携してすべての取引を政府が確認することは可能ですが、仮想通貨に関してはそれが困難です。仮想通貨の取引や時価総額が急拡大する中で、監視を強化する必要性を米国のを政府としても感じているということになるでしょう。

この発表の後には、仮想通貨の価格が一時下落する場面も見られました。

規制は市場の成熟にも繋がる


こうした規制は仮想通貨市場が発展してきた過程を考えると、ポジティブな面もあります。仮想通貨は、政府にしばられない、というのを大きなメリットとして発展していました。

しかし、いつまでも政府の規制を逃れたまま発展し続けられるほど、政府も甘くないと言えます。当然仮想通貨を利用した租税回避などは政府としては見過ごすわけにはいかないでしょうから、適切な規制がなされることで仮想通貨市場が健全に発展することが可能になる、とも考えられるでしょう。

極端に仮想通貨を規制するような方針でなければ、うまく受け入れつつ仮想通貨市場は発展していけると良いのではないでしょうか。米国が始めた規制ですから、日本など他の国も追随していく可能性はあると思います。


執筆者:渡邉亮

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