米国物価上昇
2021.5.13

株式会社AWARDの渡邉です。

昨日5月12日に発表された、米国の4月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比4.2%上昇と市場予想(3.6%)を大幅に上回ることになりました。予想を上回るスピードでの物価上昇により、金融政策が変更されるスピードが早まるのではないか、と市場が警戒を強めています。

本日は現在の米国の金融市場の状況について押さえておきましょう。

物価は前年同月比4.2%上昇


昨年の4月は新型コロナウイルスの影響をもろに受けていたため、世界各国で物価の上昇が低迷しました。それは米国でも例外ではなく2020年4月の消費者物価指数は前年同月比0.3%となり、2008年12月の金融危機以来の落ち込みを記録していました。物価が低下し始めると、デフレ不況へと突入していきますので、昨年の今頃は世界的に危機感が強い時期だったということですね。

それに対して、今年の4月の米国の消費者物価指数は前年同月比4.2%の上昇となりました。金融政策が奏功したこと、ワクチンの接種率が上がり通常の経済活動を取り戻しつつあることが、物価の上昇を力強くしたのでしょう。事前に出ていた市場の予想では前年同月比3.6%の上昇とされていましたから、予想を上回るスピードで物価が上昇していたことになります。

物価の上昇が続くと


こうした物価の上昇が続いた場合、米国は金融政策を変更するスピードを早める可能性があります。物価の上昇スピードが上がり過ぎると、経済は過熱していき所謂バブル状態になる恐れがあるのです。それを防ぐのには金利を上昇させることが有効です。

実際に物価の上昇スピードが市場予想を上回ったことで、米国の長期金利は上昇しました。そして、金利の上昇によって、米国の株式市場ではハイテク株、グロース株など将来の成長性に期待されている株式が売られることになりました。

金利の上昇は将来的に成長していく企業から得られる未来の利益の価値を落としてしまい、現在の企業価値を低下させてしまうからです。

一過性のものか?


とはいえ、消費者物価指数が市場の予想を上回って上昇したことがわかったからと言って、すぐに米国で金融政策の変更が行われるわけではありません。物価の上昇は経済の回復の指標になりますが、一方で先週発表された4月の雇用者数の伸びなどはかなり低迷しており、それも市場に動揺を走らせました。

つまり米国は2021年4月だけを抜き出してみると、

・雇用者数の回復が非常に鈍い

・物価は上昇

というようなアンバランスな状況になっているということになります。一回の経済指標が政策を左右することはありませんが、今後の雇用・物価の推移には要注目でしょう。


執筆者:渡邉亮

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